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悪い女 ページ9
「ちょっと、今何時？」
「今？９時前か、思ったより早い・・・」
「帰らなきゃ！」
がばっと体を引き剥がしたら、シゲアキが仰け反った。
「私、今日仕事あるの！だから今すぐ帰らないと・・・そっちはどうする？」
「帰る・・・けどさぁ、あの格好で電車乗ったら、完全に朝帰りじゃね？」
眉を下げて吊られた浴衣を見上げる。
「だって朝帰りじゃない」
「いや。そうなんだけどさぁ。いい歳してとか思われんだぜ？んん〜・・・」
「じゃあとりあえずウチに来れば？着替え、なんとかなると思う」
さっと立ち上がって、彼の浴衣を手にとる。木綿の手触りが心地いい。
「こっちに来て。パンツ・・・は、履いてるね。バスローブ脱いで」
訳がわからない、と顔に出しつつ、シゲアキが素直にパンイチになる。
「これ、来るときはどうしたの？」
「ああ、ネット見ながらなんとか・・・え、上手いな？仕事なんだっけ？」
後ろに回って、きゅっと貝の口を結んでやれば、昨日出会ったトキメキがまた盛り上がってきそうなほどイケてる加藤シゲアキの出来上がり。
「ネイリスト。一応、ヘアメイクと着付けもできますけど。知り合いとか常連さんだけね。仕事としてはやってないから」
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年7月22日 17時
