STAY WITH ME (ページ48)

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美しい男ページ48

お似合いだ、とよく言われる。美男美女だと言ってくる人もいる。

同じビルの中にある化粧品関係の会社に勤めるエマとは、合コンで知り合った。明確に合コンというのかどうかは知らないが、とにかく、そのビルの適齢期の若人で開かれた飲み会だ。しかもそれは伝統的に定期的に開かれていた。

俺の方はそんなに意識したつもりはなかったが、エマはさりげなく近づいてきて、例えば１階のコーヒーショップとか、帰りの電車とか、おそらく聞けば涙ぐましいと評される行動により、俺の意識を自分へと向けさせることに成功し、確信的なタイミングで告白してきた。

当時は彼女もおらず、かわいい子だな、と思ったし、俺が断る理由もなく付き合うことになった。

あれから１年。きみまろさんかよ！

彼女の目がしっかりと閉じられていることを確認し、スマホを開く。

『わかった。大丈夫』

ズキンと心が痛む。本当に？本当に大丈夫なのか？

あの広い部屋で、仕事場との往復で、Aはたったひとりで過ごしているはずだ。

彼氏・・・いや、元カレか、Aに言わせると・・・がいるとしても、今の俺の状況とは大差ないんだろう。

要するに、早く別れたいけど、タイミングを見計らっている。

いずれにしろ身辺整理をしないまま先には進めない。

『ごめんな。朝メシもちゃんと食って』

メッセージは既読にはならなかった。

握りしめたスマホを凝視している俺を、薄く目を開けたエマがじっと見つめていることに、気が付かずにいた。

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