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悪い女 ページ44
『ごめん、捕まった。今夜は戻れないかも』
メッセージはそれだけだ。
別に警察に捕まったわけでもないでしょう。エマが、彼の家で待っていたのかもしれない。
ことん、とダイニングテーブルにスマホを置くと、長い長いため息が出た。
隆平からもメッセージが来ている。ウチに来たいって、いつならいいかって、いくつも並んだふきだし。
どうしたって、修羅場は確実だ。
隆平は自惚れでもなんでもなく私にベタ惚れだし、その上性格がネチっこい。
良い人ではあるけど、私がずっと隣にいたいと思う相手ではない。
隣にいてほしいのは・・・
画面を指でなぞる。
キッチンでお玉を持って振り向いたシゲアキの写真。隠し撮りしたらすごい照れまくってた。
結婚しようか、と言ったのは冗談でもなんでもない。
それに迷うことなく『ＹＥＳ』と応えてくれたのは驚いたけれど、彼も同じように感じてくれていたのだと思うと、泣きたいくらい嬉しい。
隆平とは半年付き合ってきたけど、１度も結婚したいとは思わなかった。
シゲアキとは出会って何日も経ってないけれど、このひととずっと一緒にいたいと思った。
答えは出ている。
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年7月22日 17時
