STAY WITH ME (ページ42)

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悪い女ページ42

「カレー食っちゃおうぜ」

ひとしきり笑いをおさめて、カレーを平らげる。食べているあいだ、彼はスパイスのウンチクをたくさん教えてくれた。

先に食べ終えたシゲアキは、コーヒーを淹れてくれた。

「あれ？これ・・・」

ことん、と目の前に置かれた緑色のコーヒーカップ。蛙みたいな色だ。私の蛙コレクションに並べても違和感がなさそうな。

「ああ。Aに会う、口実？」

きゅっと唇の端を捻り上げたシゲアキが、同じカップを持って腰を下ろした。

「うわ、まさかのペアカップ！」

「ヤだった？」

「全然。すごい嬉しい」

フチが丸みを帯びていて口当たりが優しい。

ひと口すすると、ふくよかな香りで満たされる。

目の前のシゲアキも同じようにコーヒーをゆっくりと口に含んでいて、時間がどこまでもまったりと進んでいくような気がする。

「さっきの話だけど。結婚とか、俺なんにもこだわりないし、おまえとならいいかなーってマジで思ってる。

まあけど、その前に片付けなきゃなんないことは、先にしておいた方がいいだろうな」

「うん」

今の私たちは不倫カップルみたいだ。お互い結婚こそしていないものの、浮気同士と言われればそれまで。浮気じゃなくて本気だと、そこは譲れないけれど。