STAY WITH ME (ページ40)

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美しい男ページ40

「食うけど。美味そうに食うなーと思ってさ」

「だって、美味しいもの」

「１時まで休憩？」

「そう」

とはいえ、１時に客が来るならその前に準備とかもあるんだろう。

「皿はいいよ。俺やっとく。コーヒーでも飲む？」

「え、でも」

「いいよ、俺ヒマだし」

眉を下げてAが首をかしげる。

「ごめんね、つまんないよね」

「違うって。ウチにいたって同じだから。ダラダラして、本読んだり、テレビ見たり？今仕事してんのはAじゃん。手ェ空いてる方がやったらいいんだよ」

「やっぱりできる子」

皿を下げて戻りしな、座ってたAが腰にしがみついてくる。

「好きだなぁ・・・どうしよ。シゲアキのこと何も知らないのに、好きばっかりが増えてく」

「そうだな。でも別にいいんじゃない。何かすげーやばいことでも隠してない限りは、さ」

腰に巻きついたまま顔を上げた彼女は、イタズラな表情を浮かべてる。

「どうする？実はヤクザのひとり娘とかだったりしたら」

「え、マジで？」

「違うけど」

「なんだよ！俺のドキドキ返せよ！」

頭をくしゃくしゃとかき混ぜてから、あ、こいつ仕事だった、と思い出した。

髪を撫で付けてやると、Aが目を閉じて気持ち良さそうにしてる。

俺も好きだよ。おまえがヤクザのひとり娘だったとしても。

・・・そうじゃないことを願うけど。