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悪い女 ページ36
「なに？」
私の視線に気づいたのか、苦笑しながら振り返る。
「すばらしいね、料理男子。へぇ〜、意外！」
「そう？なあ、ほら、着替えとか化粧とかしてきなよ」
照れ笑いを浮かべる横顔に、ちゅっとキスをした。
「おわっ！もー、なんだよ〜」
「うふふ。ありがと！」
２人してニヤニヤして。側から見たらきっと相当なバカップルだ。まっすーと手越くんに負けず劣らず。でもいいの。誰も見てないから。
ハムエッグにサラダに、コンソメスープまで出てきた。すごい。
「シゲアキすごい！できる子！ありがとう、いただきます！」
「はいはい。召し上がれ」
朝ごはんなんてパンを詰め込めばいい方だけど、シゲアキのごはんをしっかり食べたら、元気が出てくる気がする。
「すごいね。ほんと、ありがとう」
「なんだよ！いーから食べろよ！」
照れると口が悪くなるのね。テーブルの下で彼の足に触れるとピクッとなって大きな目が私を捉えた。
「・・・まだウチにいてよ。映画もたくさんあるし、予約と予約の間は結構時間とってるの。お昼、一緒に食べよう」
「昼だけ？」
向こうから、脚を絡ませてくる。顔は澄ましたままだ。何もない風を装ってスープに口をつけてる。
「夜まで。なんなら、明日の朝まで」
ふふっと小さく吹き出したシゲアキが、ゆるりと目を細める。
「なら、いい子で待ってるわ」
「そうね。できる子だしね」
「おおーい！」
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年7月22日 17時
