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悪い女 ページ33
結局、どんなオチだったのかはよくわからないけど、ハッピーエンドだったんだろう。
クライマックスの音楽が派手に鳴り響く中、唇が腫れ上がるくらいキスをして、クレジットが始まる頃には手を握り合ったままソワソワと席を立った。
「もう帰っちゃう？」
「いや、土産持ってきてる。かさばるから持ってくよ」
繋いだ手に力を込める。
「家に来る、口実？」
「そう。浴衣は保険だから。まだ持っといて」
ニヤリと唇の端を捻りあげるような笑い方、嫌いじゃない。
嘘。すごい好き。
べたりとくっついたままタクシーに飛び乗って、一目散に家まで戻った。
「俺さぁ、こんな色ボケした人間じゃなかったはずなんだけど」
ベッドの上で大きく胸を上下させながら、シゲアキが情けない声をあげた。
映画館からまっすぐウチへと辿り着き、靴を脱ぐなり交代で(速攻で)シャワーを浴びて、寝室へと転がり込んだ。
肌をくっつけ合って、カラダも心も満たしつつ・・・要するに、彼を存分に味わったということなんだけど。
「すっごいかわいかった」
「いや、それ俺が言うセリフ」
「うそ。可愛くはなかったでしょう。こんな、やられ放題で？」
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年7月22日 17時
