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悪い女 ページ28
「そりゃおまえが悪いんじゃん」
まっすーが、ピンクの前髪の向こうから、まっすぐに視線を投げてくる。
ぎゅーっと甘皮を押さえつけてやったら「いってぇ！」とすぐにしかめたけど。
「悪いとか悪くないとか、そういう話じゃないの。いつ、どのタイミングで、どう伝えるのがベストかなって、意見をお聞きしてるんですー」
「いつ、どう伝えたって修羅場だろ」
まっすーが口を尖らせてツレないことを言う。そんなの、わかってるっつーの！
「浮気するんならさぁ、バレないようにしなよ」
歌うような声が頭から降ってきて、まっすーの手がピクッと反応した。
「浮気じゃないもの」
「じゃあ本気なの？」
器用にサッカーボールをおでこに乗っけて、手越くんがさらっと核心を突く。
「ねぇ、手越はバレないように浮気するわけ？」
おっ、まっすーが唸るような声を出している。怖い怖い。
「するわけないじゃん。一般論だよ、一般論」
「ほんとに？」
怒りマークが見えそうなまっすーへ、手越くんは平気でスタスタと近寄る。
「なぁに。疑ってんの」
まっすーは爪のお手入れ中だ。動けない。それをいいことに、手越くんがまっすーの顔を至近距離から覗き込む。
「だって・・・んくっ」
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年7月22日 17時
