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悪い女 ページ20
エントランスへ降りて行って、２人を迎え入れる。
「こんばんは」
「おう・・・ごめん、連絡しなくて」
「私もなんて送ればいいのか迷っちゃって。会いたかったから、来てくれて嬉しい」
「うん」
彼の背後でわざとらしい咳払いが聞こえた。
「あー、はじめまして。小山です」
シュッとした男の人が、にっこりと笑顔を作る。
「はじめまして。どうぞ」
居住者用のエレベーターで上がり、自宅のドアを開けた。
「え、ここが家？」
シゲアキが戸惑ったような声を上げる。５階建てマンションの３階が私の自宅だ。ちなみに、ネイルのお店は２階にある。
「そうよ。入って」
「おお〜」
広いリビングを持て余し、衝立の向こうにベッドを置いている。それでもまだ余裕がある室内にはダイニングテーブルと、壁際に設置したローテーブル。それを囲むソファを２人へ勧めた。
「座って。ビール飲める？」
缶とグラスとスモークチーズをテーブルに置くと、ソファに腰掛けていた小山さんは、律儀に「ありがとうございます」と頭を下げた。
私はシゲアキの隣で床に直座りし、３人で乾杯する。
お互い自己紹介をすると、小山さんはシゲアキと同じ会社の先輩だということだった。
「じゃあ、Aさんは一人でお店やってるの？」
「そう。休みを取りたければ予約を入れなければいいし、ネイルチップの通販もやってるし、気ままな生活よ」
「へぇ〜！オレらもロケとかあってあんまりカレンダー通りでもないけど、通勤とかないのは羨ましい〜！ねぇ、シゲ！」
「あー、そうだな」
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作者名：Niina* | 作成日時：2023年7月22日 17時
