STAY WITH ME (ページ14)

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悪い女ページ14

くたりとしたオーバーサイズの空色のＴシャツと、黒のクロップドパンツ。

「これなら雪駄のままでもいいんじゃない」

「あ、いいね。さすが、まっすー」

シゲアキが大きな目をパチパチさせてる間に、まっすーが彼に服をあててうんうんと頷いた。

「ありがと。もうお店開けるんでしょう。ごめんね、朝から。助かりました」

「いえいえ、いつもお世話になってますから」

芝居がかってぺこりとお互い頭を下げたりして。ぶふっと吹き出しても、シゲアキだけが服を抱えてアタフタしてる。

「え？いいの？え？」

バイバイと手を振ってるまっすーのお店を後にした。

「なあ、これ・・・」

「うん。大丈夫だから。とりあえず行こう」

ソワソワしてしまって、マンションの廊下を駆け抜けたいのを必死で堪える。飛び込んだ真っ暗な店の中、すぐ背後にシゲアキの体温を感じる。

履物も脱がずに、くるりと振り返った。

「おっ・・・ん・・・」

彼を閉じ込めるように背中へと両手を回し、すばやく唇をくっつけた。

「・・・一日中ずーっと、くっついていたいなぁ・・・」

「まぁね。でも、仕事なんだろ？」

暗闇に目が慣れてきた。シゲアキの白い歯が覗く。

「そう。よし！着替えよっか！」

パチンと電気をつけると、シゲアキは興味深そうに部屋を見渡した。

「へー、ネイルサロンて、こんな感じ？」

さらりとした質感を残した白壁に、観葉植物。のんびりと昼寝でもしたくなるような空間を意識してる。部屋の真ん中には、座り心地にこだわった椅子を置いてある。