STAY WITH ME (ページ13)

今日:11 hit、昨日:50 hit、合計:7,098 hit

悪い女ページ13

まっすーが目と口を丸くする。ふと視線を私の斜め後ろに投げると、怪訝そうに眉をひそめた。

「ああ。このひと、加藤シゲアキさん。こっちはここのマンションにお住まいの増田さん。まっすーでいいよ」

「どーも。増田です」

人見知りをしないまっすーは、シゲアキに向かってにぱっと人の良さそうな笑顔を浮かべた。

「加藤です」

振り返ると、完全に戸惑っているシゲアキが眉を下げている。

「服って、この人の？」

「そう。見てのとおりですから～」

「見てのとおりってなんだよ。朝帰りってこと？」

お願い！と拝み倒すと、まっすーは大げさにため息をついた。

マンションを出て通りを少し戻ったところにあるビルで、裏口の鍵をまっすーが開けてくれた。

どーぞ、とうながされて、シゲアキの手を引いてお邪魔する。

がらんと広い空間はナチュラルテイストに設えられている。相変わらず爽やかないい匂いがするその部屋には、観葉植物やまっすーが作ったアクセサリー、お洋服なんかがセンス良く配置されている。

「買い取り？」

「うん。まっすーの服を貸してくれるなら、返すけど」

「んー、そうだなぁ・・・」

シゲアキが袖を引く。振り返ると焦ったように黒目をキョロキョロさせていた。

「買い取りってどういうことだよ」

「ここ、セレクトショップだから。飾ってあるの、丸ごと買えるよ」

「だからって・・・！」

「こんなのは？どう？」

ハンガーを吊り下げて、まっすーが奥から顔を出した。