ごみ捨て場のマネージャーたち (ページ3)

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in烏野バレー部 0 ★ ページ3

現実とは厳しいものである。

高校に入学してすぐ、絶望するくらいには。

「廃部！？冗談ですよね！？」

「ごめんね、本条さん。冗談じゃないの」

困ったように笑う若い担任の言葉に、私は愕然とした。

ここ烏野高校に入学した理由の一つ、『演劇部がある』というのが潰れたのだ。

私は中学の頃、演劇部に入っていた。

はっきり言って、演劇以外に特技はない。

なのに。

潰れただあ！？

「何でですか！？結構栄えてたじゃないですか！！」

「ええ。栄えてたわよ。でも演劇部ね、もともと教師陣と対立してたのよ。それで、3月に正面
衝突して、怪我人が出たのよね。それで廃部。

あ、ちなみに5年間復活しないから、入部したいんなら留年しなさいね」

教師陣の一員は微笑みながら、なけなしの希望を奪っていった。

「はあああああああああああああああああ！！！？？？」

うるさいという苦情に生返事を返し、私はふらふらと教室を出ていった。

さて、どうしよう。

部活動見学を一通り見て回ったけれど、やっていけそうなのは一つもない。

唯一やっていけそうだった漫画研究部には、典型的なオタクのお兄さんしかいなかったからさすがに
無理だし。

1年生は部活を立ち上げられないから、新しい部活を作れないし。

入らなきゃいいじゃん、と笑われるかもしれないけど、そうはいかない。

必ず部活に入ること、というのがうちの鉄則なのだから。

帰宅部になってしまったら…………

考えたら頭が痛くなってきた。

体育館につながる渡り廊下に座り込む。

この先はもう、男子バレー部しかない。

本当どうしようかな、と頭を抱えたその時だった。

「サキちゃん？」

「…………潔子先輩？」

目の前に、中学時代の先輩が立っていた。

委員会でお世話になった潔子先輩、その人である。

「烏野に来てたんだ」

「はいっ。……演劇部は無くなってましたけど」

「そっか。残念だったね」

潔子先輩は、眉根を寄せて、何か考えていた。

何だろうと考えていると、潔子先輩はスッと顔を上げた。

「ねえ、突然で悪いんだけど、バレー部のマネージャーやらない？」

今こそ恩の返しどきだ。

潔子先輩がいるのなら、答えは決まっている。

「はいっ」

そして私は、烏野高校男子バレーボール部のマネージャーになったのだった。