白いバラの蕾を摘んで ページ6
荷解きをして、ベッドに寝転がる
衣類とかは適当に押し入れに入れ込んで、足りないものは伊沢さん(?)親子が買い揃えてくれたらしい
こんなこと今まで無かったから、ちょっとどうすればいいのかわかんない
少し前まではずっと床で寝ていたからベッドで寝るのは1度あったか無かったかだったので少し嬉しい。
しかも有難いことに良いマットレスを買ってくれたらしくフカフカで寝心地が良い
まだ、今日ここに来たばっかなのに凄い疲労感を感じた
今まで、引き取り先とご対面する時、相手は塵を見つめるような蔑んだ目で見られてきた。
そして直ぐに鬱憤晴らしに使われたり、欲の掃き溜めとして使われた。
最初は優しくしといて、後からじわじわと嬲るなんて事も数え切れないくらい経験した
でも伊沢さんはそんなことしなかった
蔑んだ目で見つめるどころかあんな優しい目で見つめてきた
鬱憤晴らしとか欲の掃き溜めとして使うどころか俺を優先して動いてくれた
手を払ってしまった時、伊沢さんは怒るどころかごめんね、と謝ってきた
ほんの少し、ほんの少しだけ信じてみても良いのかな
でも信じた後、裏切られるのが怖い
俺の目の前から消えてしまったら寂しい
俺だって本当は知ってた
伊沢さんのような優しい人だって沢山いるって事ぐらい
だけどそれを認めたら、あの人達は……って馬鹿な考えしちゃうから、そしたら俺は本当に二度と大人どころか人を信じなくなるだろう
本当に信じてみていいのだろうか
なんて、誰も出してくれやしない答えを1人で悶々と悩み、辞めた
カチコチと鳴るアンティーク風の時計はもう既に6時半を指していた
俺が来たのが3時半前後だからもう2時間半も経ったのか
ベッドから体を起こし、伊沢さんの部屋の前に立つ
今までとは少し違う怖さを前にして躊躇う
意を決してノックするも返事はナシ
あまり音を立てないようにゆっくり入る
伊沢さんはベッドの上でスマホを握ったまますやすやと眠っている
伊沢さんのお母さんが言ってたっけな
確か、東大卒業して、院に入ったあと中退してQuizKnockだったか?のCEOになったらしい
この若さで起業なんて相当な努力をしたんだろう
そりゃ疲れて眠ってしまうのも分かる
そっと部屋を出てキッチンに向かう
一通りの家事は叩き込まれてるから夕飯なんて簡単に作れる
ほんの少しだけ、今回は信じてみることにする
ブラックオパールに映る僕 side.izw→←Love is like a flower _ you’ve got to let it grow. side.izw
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通りすがりのばか - 続き書くのを待ってます!ぜひ!また書いてくれることを願っています (2019年10月28日 22時) (レス) id: 1f2385fbc8 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのばか - まじかーーーー (2019年10月28日 22時) (レス) id: 1f2385fbc8 (このIDを非表示/違反報告)
Hamiru(プロフ) - お話の1つ1つがどタイプです!!また更新再開されることを願っております。。。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: ebc8941767 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき汰(プロフ) - ぶどうさん» なんとお優しい……!!!実はあなた前世天使か女神でしたよね知ってますよだって私信仰してましたもの()嬉しい言葉ばかりです、更新の励みになります!!コメントありがとうございますm(_ _)m (2019年9月23日 23時) (レス) id: bf2a28e26a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - え…最高ですね!描写が天才的にうまくて、早速ハマってしまいました!!これからの更新、楽しみにしています!! (2019年9月22日 15時) (レス) id: 160a90e21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき汰 | 作成日時:2019年9月9日 23時