白色のゼラニウムのような ページ3
とりあえず、中に入らせてもらった｡
家具が沢山置いてあるってわけでもなく、かといって殺風景すぎるわけでもなく。
何となく、男子大学生らしさを感じる家だった｡
そして家の案内をしてもらった｡
複雑じゃなくて単純な構造の家だったので直ぐに覚えられそうだ｡
何軒か前の家は金持ちの家で、それまた立派な日本家屋の家で構図を覚えるのに2.3日かかったな。
覚えらんなくて迷う度に｢こんな事も覚えられんのか｣って殴られたっけな、今となっちゃどうでもいいけど｡
「…………で、Aくんの部屋は俺の向かいね、なんかあったら直ぐに俺の部屋来て大丈夫だから、遠慮なくどうぞ｡
で、他に質問とかは…………??」
と、伊沢さんが聞いてくる。
特にない、の意味を込めて首を横にフルフルと振る｡
すると伊沢さんはそっか、って優しく微笑んだ。
何故か、その笑顔が母さんの笑顔と重なった｡
なんでだよ、母さんはいないんだよ｡
しかも相手は今日会ったばかりの男だぞ、母さんとの共通点なんて大人なとこぐらいしかないのになんで被せんだよ｡
その笑顔を見てらんなくて、少し顔を背ける｡
その態度を見て、伊沢さんは困ったような顔をした｡
それすらも母さんに似ていて、見ているだけで母さんがいるような気持ちになってしまう｡
1人で葛藤してると、伊沢さんが手を伸ばしてきた｡
その手は俺の頭上へ伸ばしてきて、俺は両手で数え切れないくらい経験した、頭を叩かれる瞬間を思い出した｡
顔を背ける態度がダメだったんだよなきっと、結局この人も同じか、って自己解決して頭に走る痛みを待った。
でも痛みなんてやって来なく、代わりに来たのは頭に感じる手の重み。
暖かい大きな手が俺の頭を左右に動く｡
俺は今、頭を撫でられている……??
でも俺には母さん以外から頭を撫でられていい思い出をした事がなくて、それらが一気にフラッシュバックして頭を撫でている手を思い切り振り払った｡
無意識に俺は伊沢さんを睨みてけてた｡
伊沢さんは悪いと思っているのか、ごめんねって謝った。
「……初対面の人に頭撫でられるのって、やだよね､ごめん｡」
そう申し訳なさそうに謝ってくる
この人は､どんな意図を持って俺に接してんのか知らないけど、取り敢えず宣戦布告的な感じで伊沢さんを睨みつけながら言った｡
『…………俺､成人男性ダメなんで｡
だからあんまり俺に接さないで下さい｡
俺は大人を信じない｡』
He taught me how to love, but not how to stop. side.izw→←儚い、小さい花 side.izw
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通りすがりのばか - 続き書くのを待ってます！ぜひ！また書いてくれることを願っています (2019年10月28日 22時) (
レス) id: 1f2385fbc8 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりのばか - まじかーーーー (2019年10月28日 22時) (レス) id: 1f2385fbc8 (このIDを非表示/違反報告)
Hamiru(プロフ) - お話の1つ1つがどタイプです！！また更新再開されることを願っております。。。 (2019年10月14日 1時) (レス) id: ebc8941767 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき汰(プロフ) - ぶどうさん» なんとお優しい……!!!実はあなた前世天使か女神でしたよね知ってますよだって私信仰してましたもの()嬉しい言葉ばかりです、更新の励みになります!!コメントありがとうございますm(_ _)m (2019年9月23日 23時) (レス) id: bf2a28e26a (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう - え…最高ですね！描写が天才的にうまくて、早速ハマってしまいました！！これからの更新、楽しみにしています！！ (2019年9月22日 15時) (レス) id: 160a90e21c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆき汰 | 作成日時：2019年9月9日 23時
