第３６話 ページ38
ショッピングモールで勝己とマナはまず、勝己の筋トレ道具を買った
買ったのは勝己のタンクトップと、勝己とマナの分のダンベル
もうプッシュアップバーラウンドプラスはあるんだって
今は勝己の買い物が終わったから、パンケーキを食べてるところ
｢マナは何かいるもんあんのか？｣
｢ん〜、特にないかな」
入試の時も周りみたいな焦りはあんまり感じなかったからか、今更新しい器具を買って鍛えようとは思わなくて
ダンベルもまだ今のでいいかなって思ったけど、家までは勝己が持ってくれるからこれを機に、って買ったし
必要なものはなくて勝己と居たかったから来ただけだし
あ、でも
｢お揃いのタオルを買おうよ｣
今でも使えるのって中学のときの瞬間汗きゅんくらいじゃん、と続ける
今でも、と言ったのには意味がある
小学校に入る前、勝己が食玩のお揃いの指輪をくれたから。食玩のアクセサリーのバリエーションは結構多くて、同じものを引き当てるのは大変だったんだろうなと今になって思う
それ以来、プレゼントを送ることはあってもお揃いのものはなくて寂しくなったマナがクラスで匂いを統一しようと提案した。汗腺を塞ぐ制汗剤は却下されるかな、って心配だったけど勝己とお揃いのものをゲットすることができた。デクや他の奴らと同じなのはちょっと癪だけど
今日はたまたま勝己とこうやって買い物ができたけど、明日になればまたもとに戻るかもしれない。そんなときに何か心の支えになるものがないとマナはやっていけない気がする
｢ダメ？｣
｢そんくらいでダメなんて言うかよ｣
買ったのは橙色地に黒のラインが数本入ったタオル
｢こんなんで満足したんか？｣
と、店を出て勝己が聞いてきた
｢うん、満足だよ｣
だって勝己のイメージカラーなんだもん
勝己にとってはそんなんだけど、マナにとっては大切な物
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作者名：式部夏海 | 作成日時：2019年1月14日 9時
