第３５話 ページ37
体育祭も2週間前に控えた今日、
｢マナ、今日買い物付き合え｣
｢え、うん！｣
勝己が帰りに誘ってくれた
それから一日中マナの気分は上がりっぱなし、放課後を待ちわびていた
･
来たる放課後、ザワザワと廊下が騒がしい
「何ごとだあ!?」
廊下に顔を出すと他クラスがA組に集まっていた
邪魔なんだけど
「出れねーじゃん!何しに来たんだよ」
「敵情視察だろ、チビ」
と峰田に言って勝己はドアに向かう
｢どけよ、モブ共が」
｢爆豪、とりあえず知らない人をモブっていあのやめろよ｣
「どんなもんかと見に来たが…」
人混みの中に目立つ身長のが1人
「随分と偉そうだなぁ。ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい？」
「あ？」
その人は周りを押して歩いてくる
周りにいた奴もビビったのか、自然と道が開いていく
「こういうの見ちゃうと、ちょっと幻滅するなぁ。普通科とか他の科って、ヒーロー科落ちたから入ったって奴けっこういるんだ。知ってた？」
勝己の行く手を阻む
「体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科の編入も検討してくれるんだって。その逆も、また然りらしいよ……」
そう言って、マナの方を見て一瞬口元に小さな笑みを浮かべた
何？マナが落ちるって思ってんの？ざけんなよ
「敵情視察？少なくとも俺は、調子乗ってっと、足元ゴッソリ掬っちゃうぞっていう
宣戦布告をしに来たつもり」
この後、B組の方からも怒鳴り込んできて一段と騒がしくなった
うるさ
「待て爆豪!どうしてくれんだ!?ヘイト集まりまくりじゃねぇか!!」
「関係ねぇよ」
「ああ─────!?」
「上に上がれば関係ねぇ」
勝己の言葉に唖然とする人達
｢マナ、帰んぞ｣
｢うん、皆また明日ね｣
これ以上この教室にいる意味がなくなった勝己は帰ろうとするけど人混みで中々出られそうにない
｢ﾁｯ 邪魔だなぁ。マナ、手、離すなよ｣
！！？
突然、勝己と手を繋がれる
ヤバいヤバい、手汗かいてきたんだけど
顔も絶対赤いんだけど
そんなことを気にしてるから、外野の声なんて聞こえない
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：式部夏海 | 作成日時：2019年1月14日 9時
