純情直球勝負 《 Hidaka.U 》

Nineteenth Attack ページ20

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Side of You





那『また食欲落ちてる』


「うん………、でも大丈夫だよ」


那『大丈夫なわけないって。


しかももう暑いし、倒れるよ？』




あれから1週間。


考えすぎて寝れなかったり


まだ食欲は戻らなかったりで


相変わらず雄登に心配される始末。




「あ、次体育だ」


那『倒れないようにね』


「大丈夫だよ(笑)」




雄登と分かれてから急いで着替えて


グラウンドに出る。


春なのに、もう夏みたいな暑さだから


日差しが痛い。


今日の体育は持久走。


計測のための練習だからか


短い距離を何度も走る。




「あっつ…」




待ち時間も長くて


余計に暑さを感じるから辛い。


体育座りをした状態で


目線をふと移すと


反対側で同じことをしている


男子が見える。




「浮所くん……、足、早いんだ」




あんまり意識して


見たことがなかったから


何人かの中で1番前を走り抜く


浮所くんの姿に釘付け。


ああほんとに、好きなんだなって


ただただ思い知る。




" 次、Aちゃんの番だよ〜 "


「あ、うん！ありがとう！」




ハッとその声で我に返る。


立ち上がってスタートラインへと


向かおうとした時。




「…っ、」




ぐらつく視界。


一瞬にして周りが真っ白になって


立ってられなくなる。


どうしよ、起き上がりたいのに


全然足に力が入らない。


周りにはクラスのみんながザワつく声


近くにいるはずなのに遠く感じる。


迷惑かけるから…はやく、起きないと。




" 浮所くん？！ "




そんな中ただ一つだけハッキリと聞こえた言葉


その後にふわっと身体が浮く感覚。


意識が途絶えそうな中ただうっすら見えたのは






……………浮所くんの、焦ったような顔。








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