純情直球勝負 《 Hidaka.U 》

Sixteenth Attack ページ17

.





Side of Hidaka





こんなにAちゃんの近くにいたのに


那須と付き合ってたなんて


全然知らなかった。


昨日、龍我と放課後寄り道して帰ることになって


2人で話しながら歩いてると




龍『あ…っ』


『何？だれかいたの？』


龍『な、なんでもない、行こう？』


『あ、…』




公園の中にAちゃんを発見


何してるのかな？


そんな軽い気持ちで近づいて


名前を呼ぼうとした。




龍『やめ…！』


『Aちゃ…っ、…………え？』




結局呼び止められなかった俺。


だって、Aちゃんだけじゃなくて


そこには那須がいて


………彼女のこと抱きしめてるから。




『っ…』


龍『ちょ、…待ってって！』




これ以上見てられなくて


龍我なんて構わずにその場から離れる。


何か理由があったんだ、とか


いろいろ自分の中で言い訳を考えて。


なのに、朝2人で来てるのなんて


見ちゃったらもう、無理じゃん。


どんなに自信あったって


付き合ってますって言われたようなもんじゃん。




龍『浮所おは…っ、』


『あ、龍我おはよ』


龍『そんな顔しないでよ』


『んー………、うん』




気を遣ってくれてるのは分かるけど


そんなのを汲み取る元気すらなくて


机に顔を伏せる。


毎日毎日、好きって言ってたんだけどな。


ちょっとも届いてなかったのかな？


だとしたら、結構キツイかも。


目があっても思わず逸らしちゃう視線。


だって、ヤキモチ妬きすぎて


胸が痛い。







.

Seventeenth Attack→←Fifteenth Attack

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す