純情直球勝負 《 Hidaka.U 》

Twelfth Attack ページ13

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Side of You





" これ以上浮所くんに近づかないで。


浮所くんが可哀想 "




菜優さんはそう言って


私の前から立ち去った。




「………………どう、しよ」




よくよく考えてみれば


近くにいすぎたのかもしれない。


傍から見たら思わせぶり、とか


そういう風に見えてたのかな。


いろいろ悩んでたらどうしょうもなくて


明日から浮所くんと距離取らないと


なんていう考えが浮かんできた。





『………Aちゃん？』


「へ、…」


『さっきから、呼んでたのに』


「ご、ごめん…」


『なんか顔色悪いよ？大丈夫？』




ぴたっ、とほっぺに当てられる手


私はハッとして咄嗟にその手を払ってしまった。




『え、…っ』


「っ………ご、ごめ」


『いい…けど、ほんと大丈夫？』


「大丈夫、…大丈夫だから」


『……………やっぱり保健室行こう？』


「え、ちょ…っ」




ぐっと引かれた腕は


反抗しようとしてもびくともしなくて


そのまま彼によって引っ張られて


保健室へと向かう。




「っ…！」




廊下に出た時、菜優さんと目が合って


また突き刺さるように目線が浴びせられた。




「え、…ここ、保健室じゃないよ？」


『うん、だって……Aちゃん


体調なんて悪くないでしょ？』




連れてこられたのは屋上。


不思議に思って問いかけると


ふわっと微笑んで核心を突かれるから


びっくりして黙ってしまう。





「なんで…分かってるのに」


『Aちゃん、泣きそうな顔してるから』


「っ…」


『好きな人の泣き顔なんて


隠してあげたくなるじゃん』




撫でられた頭に、心が解けていく感覚。


でも、その優しさが嬉しいけど


今は痛かった。


そこで今更自覚したんだ。


" 浮所くんが好き " って。






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