【ヒカル】猫 (ページ15)

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遅すぎるページ15

ヒカルSide

らんとの時間はあっという間で、別れの時間になった。

会計を済ませてタクシーを探す。

らん「今日は会えてよかった。」

「俺も。まさかまた会えるとは思わんかった。

なぁ、また会える？」

ふっと目の奥が揺れたあと、らんは俺の目を真っ直ぐ見て言った。

らん「わたし、もうすぐ結婚するの。」

「……………え？」

らん「アパレルブランドの社長さんで、司さんっていう方と。

わたしが人妻だって。笑っちゃうよね。
だから…ふたりで会うのは最後かな。

まえっさんと名人にもよろしくね。」

「そうやったんや。おめでとう。
まえっさんと名人も驚くと思うわ。

結婚祝いみんなでしたいし、連絡先だけ教えといてや。」

らん「うん。これ、連絡先。
まえっさんと名人に会いたいって言ってて。」

「おう。じゃ、気ぃつけて。」

らん「ヒカルも頑張ってね。」

そう言って俺らは別れた。

「アホやな俺。」

会ってわかった。
俺にはらんしかいなかった。

気づくのが遅すぎた。