【ヒカル】猫 (ページ13)

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またあの声をページ13

らんSide

ついに帰ってきた。

長かった海外生活。

当たり前やけど、空港は日本語ばかりで、帰ってきたんだなと実感する。

支所は上手くいき、満足いくまで成果が出せた。

しばらくは日本でゆっくりしよう。

長いフライトで疲れた体を引きずるように、タクシーに乗り込んだ。

家まで帰ろうと思ったけど、あまりに夕日が綺麗やったから、あの公園に行きたくなった。

「まだあいつを引きずっとんか、わたしは。」

惨めったらしい自分に笑えた。

タクシーでは綺麗だった夕日もじきに沈み、公園についた頃には暗くなっていた。

「アホやん。」

でも懐かしさが胸に溢れ、寒さも暗さも心地良い。

ヒカルとの想い出をめぐらせてボーッと立ち尽くしていると、ベンチから人が立ち上がりこっちへ向かってくる。

フードを深く被って俯いていた。

「え………」

あの歩き方、あの体格。

そしてフードからほんの少しだけ見えた金髪。

思わず忘れられなかった名前が口から溢れた。

「ヒカル…？」