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「たま〜」

「たまま?」

 けらお姉ちゃんの住むその建物を歩いて回っていると、放し飼いにされているたまうさが数匹足元にまとわりついてきた。たまうさ達は人懐っこくて好奇心が旺盛なのだ。

 たまうさを撫でてから歩く。建物にはけらお姉ちゃんの他には私とたまうさしかいないようだった。ひどくしんと静まり返った廊下には、私の靴のたてる乾いた音と、たまうさの鳴き声だけが響く。

「ねえ、蜈輪椄姫(ぐわつひめ)様ってどんな人なんだろうね」

 蜈輪椄姫(ぐわつひめ)。この世界の神様。たまうさを作った人らしい。でも、それ以外の事は全然知らない。けらお姉ちゃんに昔聞いたけれど、声のとても美しい神様だとしか言わなかった。

 一つの部屋を訪れる。中にはいくつかの巻物が置いてあった。床に座り込んで、手にとって眺めてみる。たまうさ達は不思議そうに見つめてきたり、床をころころ転がったりしている。

 巻物を開く。書いてあるのは神様との付き合いのやり方。お香を焚く、蝋燭に火をつけて特別な紙を炙る、祝詞を上げる……そんな所作とかが延々と書き連ねられていた。小さな文字で書いてあるからすぐに目が疲れて、巻物を元に戻した。次の巻物を開くと、書いてあるのはたまうさの管理のやり方。

 こちらは私にも馴染みのある内容だった。私はもともとたまうさ牧場で見習いとして頑張ってたし。

 たまうさ。正式な名前は、玉兎(たまうさぎ)。真ん丸な身体に可愛い耳と尻尾がくっついてて、きらきらした目の生き物。身体の表面は柔らかくてもちもちで、身体の中身は個体によって様々だ。茶色だったり桃色だったり、黄色だったり緑色だったり。

 育てたたまうさは、最終的には蜈輪椄姫(ぐわつひめ)に捧げられるって聞いた事はある。この建物に放し飼いされているたまうさ達も、もしかすると蜈輪椄姫(ぐわつひめ)への貢物なのかもしれない。

「あなた達、蜈輪椄姫(ぐわつひめ)様のところに行くの?」

「たま?」

 問いかけてみたけど、たまうさはきょとんとしていた。

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ミクミキ(プロフ) - ぱるむのお部屋さん» ありがとうございます!励みになります (6月30日 21時) (レス) id: bce403cc8a (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむのお部屋(プロフ) - たまうさかわいい〜イラストもとてもかわいくて素敵ですね!これからも頑張ってください! (6月30日 20時) (レス) id: 0955046302 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミクミキ | 作者ホームページ:http  
作成日時:2022年6月27日 21時

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