からかい相手の爆豪さん (ページ30)

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風邪 2 ページ30

『……おい』

そろそろ喧嘩売ってくる頃合なのになんもしてこねえだと？

気になって板書できねえよ

俺に何か策があるって勘づかれたとかか

無意識に身構えちまってた…体制整えるか

高木｢─────………｣

なんだ？大人しすぎて気持ち悪ぃ

いつもなら既に5回はからかいにきてるのによ…見事に放置プレイだな

こいつこそ風邪なんじゃ…

高木｢──────────……｣

サラッと、少し髪をかきあげる音が微かに聞こえる

なんか──────

『こいつって、黙ってっと……』

つか、俺、悪化してきてんのか？妙に顔が熱をもってるっつーか

人見知りがクラス全員の前で硬直しながら何か発表する時って、こんな感じなのかよ

やべえぞ…

あんなこと、本気で言う気だったのか？阿呆か俺は！

夜更かし、睡眠不足、風邪の3重層で段々湧いてきてんだ

思わず眉間を摘んじまうわ…あー、だりぃななんか

高木｢どうかした？爆豪｣

『……あ？なんもねえよ』

高木｢ちょっと顔赤いよ？大丈夫？しんどくない？｣

『…同情する気か？余計な世話だなクソが』

急に話しかけてきやがった

驚かせんじゃねえ！

高木｢でも、赤いよ？熱あるの？｣

きたか…この状態を悪用して何か企む気だ

『まじでなんもねえっつってんだ！』

高木｢本当に？｣

『本当だわ！こんなん、風邪のうちに入んねえよ』

怠そうにしてたら、面白がるに決まってんだ

『ババアが風邪って言いくるめてマスク押しつけてきたんだよ！それに、起きたら登校時間とっくに過ぎてて遅刻って有様なんだわだから弱いとか思うんじゃねえぞカス』

高木｢…なら、別に元気なんだ？｣

『元気だわ燃えるぐらいスタミナ抜群だわ』

そういった途端に、こいつはいつもよりも穏やかに微笑んで…

高木｢じゃあ…からかってもいいんだね｣

『っあ！？ふざけんな！』

どういう訳か知んねえが、嫌な予感はしたわ…

この後、いつもの倍からかわれた

高木side

…うーん、本当に私が心配してるって気づいてなさそう

でもよかった、怒鳴ってきたから大丈夫だね

やっぱりからかうのには、万全な状態じゃないとね

さて、今日はどうからかおうかなー？時間ロスしちゃったから、倍にしようっと

────────♡♡──────────

よく書いてるうちに睡魔が襲ってくるんですよ…泣いてしまいます