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-男なら ページ19

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『…というわけで、錆兎。現世へ視察しにいくことが決定しました』



「…え」



『この目で確かめることが必要だと鬼灯殿と話し合ったのですよ。この何百年もの間一度も視察に行ってないのもどうかと思うのでね』



壁から金棒を抜きとるAは何となく複雑な気持ちを抱えている錆兎を一瞥した



それもそうだろう

錆兎はここ数年のあいだに命を落とした
そんなに時間も経っていない


そして顔見知りの友人などもまだ存命している



死んだ身である自分がまだ生きている友人に会うことはいけないと考えているのだろう




まだまだ子供な錆兎

残酷な道ばかりですまない、とAは心中で思った





__________





現世への視察


それは義勇や炭治郎の生きる世界へと行くということ
そして俺がこれから先も生きる予定だった世界へ行くということだ




現世視察。
その言葉は最初の座学の時にA様から習っていた



まさか自分が行くことになるなんて思ってもみなかったのだ




思わず視察と聞いた途端俺は男らしくない考えがゆらゆらと浮かんだ





"鱗滝さんや義勇、炭治郎にも会えるんじゃないか"




しかしその考えをすぐに打消した

俺はもう死んだ
生者と亡者。会うことなんて許されないんだ




視察は仕事で行くもの

遊びに行く訳では無い
しっかりしろ、錆兎。俺は男だ



男なら、区別をしろ

地獄をより良いものにするために力を尽くせ





「わかりました、A様」



『…いい返事です。今日のところ仕事は以上。これから視察への準備をしなければならないので私と錆兎はこれで失礼します。鬼灯殿、後のことは頼みました』


鬼灯はAの隣にいる錆兎の頭をぽんと叩き、気をつけて行ってくるのですよ。あとは任せてください。いつも通り牽制します。と金棒を床に叩きつけていた




変わらぬ行動言動、そして鬼灯の手の温もりに錆兎は
ふっと肩の力を抜いたのだった

-色の変わる刀を今手に→←-我慢出来ず



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Laf;(プロフ) - 何というかもう…この作品に出会えてよかったです😭神作をありがとうございます… (2月18日 23時) (レス) id: 46457ca4f3 (このIDを非表示/違反報告)
れい - え、好き。ありがとう…(遺言) (5月6日 8時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、鬼灯が錆兎に密かに嫉妬してたりとかだと面白いかも…♪ (2023年4月22日 17時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、いつか転生が決まるのかな…その時錆兎はどうするのか…夢主とともに転生してキメツ学園につながるパターンとか?離れなさそうだし(笑) (2023年3月21日 15時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - 面白かったです♪続き待ってます!柱たちとの絡み見たいな…。 (2023年3月20日 9時) (レス) @page27 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:うる。 | 作成日時:2019年9月11日 14時

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