-残されたものへ ページ15
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「あら、A様来てくださったのね」
「お茶入ってるよ、Aさん」
出迎えてくれたのは竈門家の母である葵枝さんと次男坊である竹雄さん
病没している父である炭十郎さんはこの区域ではない違う天国にいるのです
家族であるのに天国でも出会えないなんて可哀想なので偶に私の特権で炭十郎さんの元に家族一家を連れていくこともある
その度嬉しそうにしている子供たちを見ると地獄で荒んだ私の心が浄化される
『…お茶ありがとうございます。今日は私に弟子が出来たのでこの場所の説明と子供たちと遊んでもらおうと思って来たのですよ』
「A様にお弟子様が?とても優秀なのね」
嬉しそうに微笑む葵枝さん
流石は六人の子供たちの母親。包容力の暴力である
『外でみんなと遊んでいます。竹雄さんも混ざったらどうです?歳も近いと思いますし』
「……う、じゃあ行ってこようかなぁ」
なんて渋々ながらも嬉しそうに外に出ていく
竹雄さんは少し思春期が始まっているのか自分からはいかない
可愛いものです
長男が居ないから頑張っているのでしょう
そんな竹雄さんをみて葵枝さんも嬉しそうだった
『…最近もあそこへ行かれてるのですか?』
「……そうですね。毎日のように行っている…どうしても二人が心配なのです」
あそこ、とは現世の様子を垣間見れるこの場所にしか存在しない水晶体がある場所である
名は特にない
鬼に寿命を奪われた者たちのために創られた
毎日のように亡者が訪れる場所なのです
そして現世に生ける大切な者が窮地に立たされた時のみ己の念を送り届けることが出来る
竈門家、長男の"炭治郎"さんは家族の声で何度も命を救われているでしょう
『実は弟子である錆兎も鬼によって命を断たれてます』
「…そう、だったのね…」
『年端もいかない少年たちが鬼を斬るために刀を奮うなんて…酷い世の中になったものですよ。錆兎は知らないかもしれませんが錆兎は炭治郎さんの手助けをしたことがあります』
「手助け…?」
『鬼殺隊になるための最終選別に行く前に伸び悩んでた所を耐えきれず指導していました。まさかこんなに偶然があるなんて思いませんでしたよ』
茶を啜り、弟子になってすぐのことを思い出す
そりゃ調べるだろう。そしたらまさかこんな偶然が重なっていたなんて…
葵枝さんは涙ぐみながら嬉しそうに笑っていた
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Laf;(プロフ) - 何というかもう…この作品に出会えてよかったです😭神作をありがとうございます… (2月18日 23時) (レス) id: 46457ca4f3 (このIDを非表示/違反報告)
れい - え、好き。ありがとう…(遺言) (2023年5月6日 8時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、鬼灯が錆兎に密かに嫉妬してたりとかだと面白いかも…♪ (2023年4月22日 17時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、いつか転生が決まるのかな…その時錆兎はどうするのか…夢主とともに転生してキメツ学園につながるパターンとか?離れなさそうだし(笑) (2023年3月21日 15時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - 面白かったです♪続き待ってます!柱たちとの絡み見たいな…。 (2023年3月20日 9時) (レス) @page27 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うる。 | 作成日時:2019年9月11日 14時