-大切なこと ページ13
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『もうひとつ連れていきたい場所があるのです。まあ、そこにも用事があるのですが』
「何処まででもついて行きますよ。何処に行くのでしょうか」
『貴方が行くはずだった"天国"です』
天国
それは死後善人の行く世界のことである
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「…そうか、此処が俺の行くはずだった、天国…」
『まあ先程居た桃源郷も天国の一部ですけど此処は善人たちが住まう場所です。天国に来たからすぐ転生できるという訳では無いので此処で過ごしているんですよ』
周りを見渡せば当たり前だが地獄とは違い明るく現世と少し近しいように感じた
家もぽつんぽつんと並んでいる
全員亡者の着る白服を着ており、子供たちは無邪気に駆け回っていた
『実はここ一帯は無念にも鬼に食い殺された死期の早まってしまった者たちのいる区域です』
「な、っ…」
『突然の鬼の出現により死期が早まってしまったもの達が多すぎるのです。何十年も昔になりますが急遽開設されました。錆兎。貴方もここに来るはずでした』
そう言われ、今一度天国を見渡す
皆苦しそうな表情などはしておらず晴れやかな表情で此処で過ごしている
全員鬼に食い殺された人達…
思わず俺は拳を握りしめる
俺は、俺はこの人たちを救いたかったのに…
鬼を倒す前に死んでしまった虚しさのあまりそう考えるほかなかった
『嫌な記憶を思い出させてしまいすまない。しかしこの者たちは自らを奮起させ転生するために日々頑張っている。何も殺された可哀想な人ではない。地獄の獄卒とは中々縁がない天国だが覚えておくように。出来るな?』
突然素に戻るA様の言葉はあまりにも深く俺の心に突き刺さる
そうだ。俺たち可哀想なんかじゃないんだ
俺が亡者に罰をしているようにこの者たちにも試練がある
もっと、もっともっと努力が必要なんだ
「出来ます。俺もっと…頑張ります」
そう言えばA様はまた僅かに微笑む
『宜しい。暗い話になってはしまいましたが実は今日は"遊び"に来たのですよ』
「え、遊びですか?」
『この先に鬼に食い殺されてしまった家族の家があります。以前偶然出会ったのですが懐かれてしまいましてね…偶に顔を出すんですよ』
「へえ。A様は遊んだりするんですね」
他愛もない話をしながらも俺たちはある家族の家へと向かった
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天国についてはほぼ私の創作です。
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Laf;(プロフ) - 何というかもう…この作品に出会えてよかったです😭神作をありがとうございます… (2月18日 23時) (レス) id: 46457ca4f3 (このIDを非表示/違反報告)
れい - え、好き。ありがとう…(遺言) (2023年5月6日 8時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、鬼灯が錆兎に密かに嫉妬してたりとかだと面白いかも…♪ (2023年4月22日 17時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、いつか転生が決まるのかな…その時錆兎はどうするのか…夢主とともに転生してキメツ学園につながるパターンとか?離れなさそうだし(笑) (2023年3月21日 15時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - 面白かったです♪続き待ってます!柱たちとの絡み見たいな…。 (2023年3月20日 9時) (レス) @page27 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うる。 | 作成日時:2019年9月11日 14時