-すいもあまえも ページ22
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食事中突然口を開いたA様
それも何時ものようなくすりと笑ってしまうような話ではなかった
何処と無く重苦しい空気が漂う
それはA様がそうしているのではなくきっと俺だ
『…貴方には生前親しい友人が居ましたか？』
そしてまたまた唐突な質問
たまにA様は読めない。否、割と毎度読めないけども
「……居ました。本当の兄妹のような…家族のような存在が二人。一人は俺と同じく鬼に殺されてしまいました」
そう言えばA様は嬉しそうに微かに微笑む
最初は微笑むことなど皆無な方だと思っていたが一緒に居てわかる…この人はとても感情が豊かだ
『…錆兎は現世視察に行くことを伝えた時恐らく友人に会えるんじゃないかと思ったことでしょう』
そんな言葉に分かりやすく俺は肩を揺らす
図星。獄卒として仕事で行くのにそのような甘いことを考えていた俺をA様は見抜いていたのか
居た堪れなくなり思わず目線を下に落とす
ああ、期待を裏切ってしまっただろうか
見限られてしまっただろうか
なんて考えていた俺はなんだか胸が痛くなる
しかし、A様は俺の考えていたものとはまったく違う優しげな声音で語りかけてきた
『…何をそんなに怒られる子犬のような顔をするのです？私は何も言っていません。錆兎、貴方は死期が早まってしまった人間です。友人もさぞかし驚き、悲しんだことでしょう』
そしてその後、A様は驚くようなことを言った
『…現世に着いたら挨拶くらいしてきなさい』
「…えっ…？」
『錆兎、お前は直ぐに男たるもの、と自分を牽制し過ぎですよ。これは獄卒として生きていくことを選んだ特権。普通ならどんなに天国行きでもすぐに転生することは難しい。それに死んですぐに獄卒なんて異例中の異例です』
錆兎の存在は地獄に知れ渡っている
それ程までに異例。そして気持ちの強さが評価されていた
それは師範であるAにとって嬉しいこと
しかし少しながら心配であった
『…友人が生ける現世へ視察に行ける。そうそうない話なのです。獄卒として仕事で行く、だから私情は持ち込むわけにはいかない…いいや、存分に持ち込みなさい。二度と叶うはずのなかった再会なのですからそんな時くらい甘えるもんですよ』
そう言い終えたあと錆兎の顔を見てAは目を僅かに見開いた
何故なら此方を見つめながら涙を流していたからだ
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Laf;(プロフ) - 何というかもう…この作品に出会えてよかったです😭神作をありがとうございます… (2月18日 23時) (
レス) id: 46457ca4f3 (このIDを非表示/違反報告)
れい - え、好き。ありがとう…(遺言) (5月6日 8時) (レス) id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、鬼灯が錆兎に密かに嫉妬してたりとかだと面白いかも…♪ (2023年4月22日 17時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - これ、いつか転生が決まるのかな…その時錆兎はどうするのか…夢主とともに転生してキメツ学園につながるパターンとか？離れなさそうだし（笑） (2023年3月21日 15時) (レス) id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
Nami - 面白かったです♪続き待ってます！柱たちとの絡み見たいな…。 (2023年3月20日 9時) (レス) @page27 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うる。 | 作成日時：2019年9月11日 14時
