【npl】鉢合わせ【8】 (ページ7)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:29,464 hit

The past ページ7

夏の全国大会に向けて他校と練習試合をしていた。

俺は特別上手い方ではないが、ウチは強豪校だったため、全体的なレベルは高い。

自分で言うのも引くが下手くそまでは行かなかったと思う。

靴の摺れる音、掛け声が響く体育館はむさ苦しいが、残りは五分。この位我慢出来る。

ふとデジタイマーの横にはマネージャーがコチラを見て応援している。

人に応援されたり励まされる事は嬉しいけど、それは個人に対するものじゃないから何も響かない。

点数はというと俺たちの方がリードしているが、ボールは相手側が持っていた。

俺らが入れるゴールの下で、敵はボールを構え、真反対のゴール側へ投げた。

勢い余った下手なパスがデジタイマーの方へ … え？

すかさず其方に向かって走る。球は異常に力強く且つ速く、高さの問題もあって間にいた仲間も敵も取れず終い。

かと言って俺だって特別デジタイマーに近い訳じゃないので、無我夢中でボールを取ろうと手を伸ばす。

なんでこんな必死かって？…見過ごしてもいいけど、マネージャーに怪我なんてさせられないだろ。

八野「 ──ックソ！」

ヤケクソでボールを取りに行った。

ボールを何とか右手で弾くも、勢いのまま思いっきり床に体を打ち付ける。

… 絶対足捻ったし、こんな大勢の前で転ぶなんて情けない。マネージャーにカッコつけた俺馬鹿だ…クソォ…

マネージャーは大丈夫ですか？！と俺に声を掛ける。

八野「 … 全身痛いわ … はは、情けねぇなあ。ま、マネージャーさんが怪我してないなら良いんだけど。」

身をもって呈したけど、この格好全くイケてない。

マネージャーは申し訳なさそうに頭を下げてすみません… と。