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仕事も時間通り終わり、残業も特別無く、気を楽にして帰宅が出来るとわかった瞬間、思わず溜め込んだ疲れを吐き出すようにして、大きな溜息をつく。



八野「 お疲れ様 」


私「 はい、お疲れ様です! 」



ちょっと御手洗行ってくるね、と席を立ち、急ぐようにオフィスを出た。



黄桜「 はっちええなあ〜、こんな可愛らしい彼女を助っ席に乗せて家に帰ってるんやろ?しかも次の日が休みだったら、その日の夜、一緒に飯食ってるって聞いたわ。… 羨ましいったらもう〜!! 」


紫藤「 そもそも免許持ってないでしょ。」



冷静なツッコミを入れれば、満足気に紫藤さんはクスクスと笑い出し、



紫藤「 はっちもおかげで毎日元気だしね〜。知ってる?田部井さん。はっち、田部井さんと会うまで、“ 幸せって何ですか?” とか聞いてきてたからね。… いや今も相変わらずだけどさ。 」


私「 随分また難しい話を … 」



すると、二つ隣の席の男性は小さく、けれどハッキリと聞こえるように咳払いをした。



青柳「 田部井ちゃんは、はっちさんのどこが好きなのよ … 教えなさいよ、アンタ … 」



車輪のついた椅子でこちらまで勢いよく近付き、ニヤニヤとした表情で答えを待つ。



黄桜「 ナチュラルにキモイぞしゅーさん … 。」


青柳「 キモクナイワア!可愛いでしょ! 」


紫藤「 いやそれはないけど … ハハッ 」



三人でワイワイ盛り上がっていたから、言わなくてもいいかな、なんて自己完結してしまいそうになるも、突如静寂が生まれ、三人の視線は一気に私へ向けられた。



青柳「 どこが好きなんヤア … 」


私「 え、えーっとですね、ひとつは … 」


八野「 はい。そこまでー。」



両肩をポンポンと叩かれ、振り向くとはっちと目が合う。



紫藤「 待って!まだ帰らんといて!聞けてないのよ!?あたしたち! 」


黄桜「 俺も聞いてへんぞーッ! 」


八野「 そんなの知ってどうすんだよ … ほら、帰りましょ。 」



私は言われるがままに彼に連れられて職場を抜け出す。



今頃不満そうな態度で愚痴っている三人の姿が何となく想像出来る。

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ぺんぎん - 終わり方めちゃ好き…すごく面白かったです! (2021年3月8日 14時) (レス) id: 223a7324a4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年2月2日 2時

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