【npl】鉢合わせ【8】 (ページ15)

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Injury ページ15

何度も責めて割り勘で！と財布を手にしながら申し出ていたが、先輩は俺が払うの一心で結局お昼を奢っていただいた。

聞いたことのない幻想曲や、ピコピコ音が使われたユニークな曲が車内を響かせる。

先輩は其の曲が使われているゲームについて熱弁してくれて、取り敢えず一通りプレイしてみようと言う気持ちを引き起こされた。

はっち先輩の家の駐車場に停め、一言お礼を述べて車外に出る。

気付けばおやつ時で、小さな子供が家の裏の公園の広場を駆け回っている。

八野「元気だなあ」

私「 … お爺さんですか」

八野「ちょ、おま、こら」

優しく額にチョップを食らう。こういうやり取りは高校時代を思い出させる。

何となく私達は足並み揃えて公園に訪れていた。

私「私無難にブランコが好きでした」

八野「俺は怪我した記憶しかないな」

私「先輩よく怪我しますね」

八野「 … 部活動で思いっきり怪我したの、覚えてる？」

何故か不安そうに訊ねるもんだからクス、と声に出して微笑。

私「覚えてますよ、そりゃあ。だってあの時の先輩に惚れ… 」

失言。先輩を密かに想ってた事を口に出してしまった。

八野「 … いいこと聞いた」

嬉しそうに満面の笑みを浮かべる先輩。

ベンチに座ろ、なんて言われたら断れるはずもなく。

──さて、勝手に気まずくなってしまった。