貴方の側に居れるなら、私は家畜でもかまわない… (ページ34)

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家畜日記３１ページ34

『ヤダ…ママのとこかえる』

「帰ったら、いつかお前は殺されるぞ」

『いつか…いつかごめんねっていってくれる』

「愚かな人間だな」

ウルド様は、腕をあげ私に近づいて来た

反射的にビクッと肩を動かしたが

ソレは予想とは違うものだった

『えっ？』

「なんだ、殴られるとでも思ったのか？俺はそこまで、愚かではない」

はじめて…

初めて、頭を撫でられた気がする…

こんなに気持ちいんだね…

「分かった。しかし、家を追い出されたら必ずここに来い。それがお前を帰す条件だ」

『うん！！』

元気に頷いて

また頭を撫でてもらった

それから、家に帰る時間までゆっくりと眠りについた

目が覚めると、私の隣にはクマさんがいた

ずっと欲しくて、貰えなかったもの…

『これなあに？』

近くで本を読んでいたウルド様に聞く

「お前にやる。私が持っていても扱いに困るからな」

『ほんとぅ？！やったあああああ！！！』

そうこのクマさんこそ、今でも私が肌身離さず持っているクマさんなのである

まあ、この後家に帰った後

母親に壊されちゃうんだけどね

頑張って、針と糸で夜中にコソコソと直したよ

何回も指に針を刺しながら

だって、生まれて初めて貰った

大事な宝物なんだから…っ！！

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ガクッ！

『っ？？？？？！！！！！』

え、え！

なになに？？！！

『……』

あぁ…

これって…

思い出に浸ってたら、寝落ちしたパターン…？

まぁじぃかぁ…

でも、時間を見ると数分しか経っていないみたいだ

良かったぁ～♩

はぁ…

ウルド様に会いたいなぁ～

「あ、そうそう。ターニャ～？」

フェリドが突然、私を呼ぶ

「僕、と～っても不思議なんだけど。あの第2位始祖様が、君を1人で人間の中に置いてくことを予想していなかったとは考えにくいんだよねぇ」

『…だから？』

「だから、君の居場所がいつでも分かる何かを君は持っているんじゃないかと思って」

『そんなのない』

なにも言われてないし、居場所が分かるようなものなんて…

「例えば、そのぬいぐるみの中、とかね？」