貴方の側に居れるなら、私は家畜でもかまわない… (ページ32)

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家畜日記２９ページ32

まぁいいか…

『それで暫く見つめあってたんだけど、私が耐えられなくなって…』

ああ、何言ってんだか

この子たちに言っても、意味ないじゃない

『なんでもない。とんでもない出会い方をしただけだよ』

と、一方的に話を終わらせて

目を閉じた

目を閉じただけで、眠ってはいない

そんな中、私は

あの出会いを思い出していたのだった

ーーーーーーーーーーーーーーー

『きゃああああああああああああああ？？！！』

恐怖で思わず叫んだのだった

「うるさい」

『むぐっ！』

私の前に立つ男の手によって、口は押さえつけられ叫ぶことができなくなった

あぁ…もう諦めよう

ここで終わるのが運命に違いない

うん、どうせ殺されるなら苦しまないで死にたいな…

「ここで何をしている？」

急に冷たい空気が鼻の奥を刺激して

ぶるっと少し震えた

『あっ…おうちに、かえれないから…ママがおこる』

「そんな格好で出されたのか？」

私の心配してくれてるの…？

この人は優しい人なのかな…？？

『えへへ。いつものことだよ…あともうちょっと、がまんすれば、おうちにかえれるもん』

また、男の人は私を見つめて

何を思ったのか、ぐいっと

『わっ！！』

引っ張られた

そして、抱き上げられ

閉じの入り口とは逆の

光が一切差さない、暗い暗い路地の奥へと進んで行った

あぁ、そう言えばこの人

路地に入ってくる足音がしなかったな…

奥へ奥へと進むと

見慣れた煉瓦の建物から、見慣れない建物へと変わっていった

路地の奥へとたどり着くとしてそこには地下へと続く階段があった

男は、戸惑いもなく階段を下へ下へと降りていった

真っ暗で怖かったけど、この人が一緒だから

そんなに怖くもなかった

長い長い階段を下り切ると、そこには見たこともないような世界が広がっていた

『わぁ…』

お城みたいなのがあって

その周りには、沢山の建物があって…

この人は魔法使いなのかな？

なんて、思っちゃったりもした

そして、チラリと男の人を見ると

「なんだ」

と、直ぐに反応した

『あなたは、まほうつかいですか？』

「違う。私は、吸血鬼だ」

『きゅうけつき？』

なんだそれ？？

きゅうけつき、について考えていると

男の足が止まった