赤色のミサンガ 3 (ページ8)

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｢……もし子供ができたら、クリスマスなのにと怒られそうだな｣
｢わたしたちの子供なら一緒にぐうたらしてるんじゃない？｣
｢一理ある｣

　あるいは子供ができた後なら、案外俺たちもやる気を出しているかもしれない。さりげなく子供の欲しいものを調査するのも、子供の目を盗んでクリスマスプレゼントを二人で買いに行くのも、Aと一緒ならきっと何だって楽しい。
　あるかもしれない未来に思いを馳せていると、Aの眠気が限界に達したようだ。ぴょこんと跳ねた寝癖を抑えるように頭を撫でる。

｢おやすみ、今日も愛してる｣

　いつもと変わらぬ言葉を囁いた。穏やかな寝顔を目に焼き付けてから二度寝のために目を瞑ると、こんなにも寒いのに今日も元気な近所の子供たちの声が窓の方から聞こえてくる。
　数年も経てば、子供の笑い声が響くのはこの家かもしれない。そう思うと、Aのお気に入りのティーポットにお湯が注がれる瞬間のようにじんわりと温かいものが心の奥から広がるのを感じた。

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