赤色のミサンガ 3 (ページ18)

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｢どうしたの？｣
｢そろそろおまえの世話をしないと死んでしまう……｣
｢はや｣

　まだ一時間も経っていないのに。相変わらず我慢が苦手らしい。そんなところもだいすき。修也くんの世話をするのも楽しくて愛しくて仕方ないが、そろそろ修也くんのお世話焼きが恋しい。どっちもどっちとはこのことだ。身を捩って修也くんの方を向き、褐色の頬にちゅ、と口付けると驚いたように目を瞠った。温かな胸元に擦り寄っておねだりする。

｢ふふ、だっこして｣
｢A？｣
｢気が変わったの。後で紅茶も飲みたいな｣
｢！｣

　修也くんの表情が明るくなった。わたしのおねだりを聞いてこんなに分かりやすくご機嫌になるなんて、やはりわたしの旦那さんはどこまでも可愛い。

｢そんなにお世話焼かれるの落ち着かなかった？｣
｢嫌というわけではないんだが、俺はおまえの世話を焼く方が性に合う｣
｢わたしは結構楽しかったけど｣
｢……まだやりたいのか？｣
｢満足したから、あとは修也くんにお任せします〜｣
｢任せてくれ｣

　手始めにわたしを運んでくれた修也くんとふたりでソファーに沈んだ。お互いのぬくもりをとけ合うほど分かち合い、秘密を語らうように愛を交わし、心の望むままお砂糖でできたふたりきりの幸福な世界に入り浸る──そんな一日を過ごしたい。今日のわたしはお雛様だから、何を言っても通るのだ。

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