赤色のミサンガ 2 (ページ5)

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｢……しゅうやくん｣
｢ん？｣
｢だいすき｣

　一瞬心臓が止まる。久しぶりに聞いた｢だいすき｣。これ以上ないくらい頬が緩んでいくのが自分でも分かった。

｢A、愛してる｣
｢ん｣

　満足そうにしているのも可愛い。全部可愛い。こんなに可愛くていいのか。天使か。天使だった。ぎゅうぎゅうとちいさくて柔らかい身体を抱きしめる。もうこの愛が行き場を失くすことはない。幸せで仕方ないと思った。

　この世に在るすばらしいものをひとつ残らず掻き集めても敵わない、俺の最愛。どうかこれからも、俺の手が届く範囲で思うがまま自由に生きてくれ。何をしていても可愛いことには変わりないけれど、好きなものに囲まれてのびのびと生きる彼女が何より魅力的なのだから。

　……Aの可愛さでおかしくなった俺が正気に戻るのは、次の日の朝のことだった。

(……昨日の俺はどうかしていた)
(してたね〜)
(一週間のブランクがあるのにおまえの可愛さを一気に浴びすぎて……)
(ブランク)
(今回の反省から、今後はどんな理由があろうとも毎日おまえに触れてしっかり愛でることにした)
(何だか思ってたのと違う方向に開き直ったね)
(おまえが可愛いのはどうしようもないからな)
(うーんわたしの旦那、嫁フィルターがすごい)

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