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｢これまではそんな暇も無かったし、おまえ以外の女性と懇意になろうとは思えなかった｣
おまえだってそうなんだろうと彼は言う。本当にその通りだ。ずっと離れて暮らしていて、それでも好きで好きで仕方なくて、他の人となんて考えられなくて、二度と離れたくなくて。今、わたしたちは此処に居る。勝手に置いていかれたような気分になっていたが、同じだったのだ。
｢俺は、おまえがおまえならそれでいい。おまえだからキスも、それ以上のこともしたい｣
何もせず後悔するのは懲り懲りだからな。最後の呟きには聞こえぬふりをして、今度はわたしからキスをおくった。
愛を行為に移す。そこにはきっと基準も脚本もない。
バカップル上等。此処はわたしたちだけの世界なのだから。
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作者名：おひめ | 作成日時：2023年1月31日 1時
