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ひとり暮らしの男子大学生の家に、お茶菓子なんて無いから、せめてもの思いでこの間光にもらったコーヒーでも出そうかなと考えていれば、"気にしないでいいよ"と言われた。
お言葉に甘えて、テーブルを挟んで向かい合って座った。
慧「それで、人間の有岡大貴って、どういうこと？」
大貴「……俺ね、こないだ伊野尾くんが会ったアンドロイドの開発をしてる会社と契約してて、その社宅に住まわせてもらってるの。」
慧「…はあ…」
大貴「何不自由なく暮らせる代わりに、"存在"をあげるって、契約なの。」
聞けば聞くほど意味が分からない。
慧「存在をあげるって…？」
大貴「アンドロイドの有岡大貴が、人間の俺に変わって外で生きていくってこと。」
慧「アンドロイドの方が"本物"として、世の中に溶け込んでいくってこと？」
大貴「そう。名前や生年月日などの個人情報はもちろん、性格や仕草まで細かくインプットされたアンドロイドが、俺の代わりに生きてくの。」
大貴「まだその試験段階で、それで伊野尾くんの家にも俺の代わりが来たでしょ？」
少し、むずむずした。俺が仲良くしていたのは"アンドロイド"だったけど、人間らしい感情を持っていて、そしてとても温かかったから。
そのことを"俺の代わり"と言われてしまうのは、ちょっとむず痒い。
目の前の有岡くんも、アンドロイドの大ちゃんもそれぞれ全く違う、1人だから。
有岡くんだって、大ちゃんだって、代わりなんかじゃないよ。
ねえ、有岡くん。
まだ会って数十分の君は、アンドロイドよりもずっと扱いが難しくて、うまく噛み合わないけれど、俺はもっと話してみたいと思ってるよ。
1人の人間として。
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カシスオレンジ(プロフ) - 空さん» 楽しみにしていただいていたのに、本当にごめんなさい。作者の都合によりお話の続きを書くことが難しくなってしまったため勝手ではありますが作品を削除することにしました。内容が思いついたらまた"忘却の彼方"のようなお話を書きたいと考えています。 (2021年10月27日 18時) (
レス) id: 64f54fb5df (このIDを非表示/違反報告)
空 - カシスオレンジ様の小説【忘却の彼方】観覧不可能になっているのですが、もしかして削除してしまったのですか？ いつも楽しみに拝見させていただいていたので、ちょっとだけ残念です…。 (2021年10月27日 14時) (レス) id: 1b6fb8d27d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：カシスオレンジ | 作成日時：2021年10月19日 15時
