第二十七話 ページ31
ご丁寧に全員引き連れてこちらに走ってきたルフィに向けたゾロの言葉はむなしく廃墟の壁に反射して帰ってくる。
急いで買ったものをまとめて動き出すが、海軍の後ろにはあの葉巻の人がいた。
すごい剣幕であの、煙になった腕がこちらに迫ってくるのが見えたとき、それを渡るように男が飛び出してきた。
「‟陽炎”」
煙を押し返す激しい赤。
炎を身にまとってそこに立ちふさがったのは、あのレストランであったポートガス・D・エースだった。
突然現れた謎の男に混乱する皆をよそに、ルフィは何やらエースと親し気な会話をしている。
レストランで見せられた紙はルフィの手配書だったことから、まぁ、何かしらのつながりはあると思っていたけど。
身体からいまだに炎を上げているエースは目の前の海軍を見据えて、先に逃げろと言ってきた。
煙をかき消した炎の力を持っているなら、撒くことくらいは簡単だろう。
ルフィはエースに元気よく返事をするとみんなに声をかけそのまま全速力で走りだした。
「待ってよルフィ!誰なのよあれは!」
追手の声は随分遠くなり、彼はしっかりと海軍の足止めをしてくれているらしい。
ナミの質問にルフィはこちらを振り返らず、うれしそうな声で「俺の兄ちゃんだ!」と返した。
一瞬の沈黙の後、その場に全員の声が響き渡る。
詳しい話を聞く時間はない。
さっさと船に戻るぞと一同は全速力で船へと駆け込んだ。
ルフィの姿がないことに気が付いたのは、船に着いて、急いで出航の準備をし始めてからだった。
準備万端、さぁ出航しようとしたときに約一名足りない人物がいないことに気づいたとき、あぁまたかと頭を抑えるナミたちの姿にひっそり手を合わせる。
このまま港にいても海軍が集まってくるだろうと、船を出したがルフィはいったいどこで何をしているのか…。
「探してもらいましょうか」
懐に入れていた紙を取り出し探したい人物の名前をはっきりと言い、姿をしっかりと思い浮かべて霊力を込める。
すると、紙がふわりと浮き上がり鳥のような形の式神に変化する。
探し人のいる方向へと式神が飛んでいくが、あまり大きな鳥ではないことを考えるとそんなに遠くはないらしい。
マストの上へと上がり望遠鏡を借りて式神の後を追うと岸にルフィの姿が見えた。
見つけたことをみんなに伝えると、ルフィは腕を直接船まで伸ばして勢いよく飛び込んできた。
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雪羅(プロフ) - すみせん、二回投稿してしまいました…… (2019年3月20日 6時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - またまたコメントさせてください。ほんっとうに面白いです!エース見てると、後々あんなことに……と泣きたくなります。鶴丸以外の刀剣に早く会えたらいいですね。これからも頑張ってください! (2019年3月20日 6時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
雪羅(プロフ) - またまたコメントさせてください。ほんっとうに面白いです!エース見てると、後々あんなことに……と泣きたくなります。鶴丸以外の刀剣に早く会えたらいいですね。これからも頑張ってください! (2019年3月20日 6時) (レス) id: 227c03626a (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - 雪羅さん» お返事が遅れてしまって申し訳ございません!コメントと応援ありがとうございます!なかなか更新できずお待たせしてばかりですが、精一杯頑張りますのでこれからもどうかよろしくお願いします! (2018年11月9日 13時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
珠愛(プロフ) - ミリアさん» リクエストについてなのですが…申し訳ございませんが受け付けておりませんのでご了承ください。 (2018年10月6日 9時) (レス) id: 600712081e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠愛 | 作者ホームページ:ニャンニャンニャン♪♪♪
作成日時:2017年7月25日 17時