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追ってくる気配が複数。
そのどれもが恐らく銃やナイフの類いを持ち合わせているのだろう。この変装のせいで一般人だと思われているのかもしれないが、それにしたって足音に緊張感が欠けている。

私服で警視庁に出入りしていたため目をつけられたのだろう。
しかし、何処の手の者だろうか。
ここで排除しなければ、Aを新たに危険に晒してしまうことになるかもしれない。
それだけは避けなければ。

ジョディ達との待ち合わせ場所まであと少しだが、この分ではそれよりも先に奴等は俺を襲ってくるだろう。

この手のことは昔しょっちゅうだったため感覚的に分かるのだが、そこそこの手練れだろう。
一人一人は驚異ではなさそうだが協力されると厄介かもしれない。

一般人を拐うなら、サイレンサー付きの銃で脅して怯えたところを誘拐するのが常套手段。
警視庁に出入りしたものとなれば一発は撃ってくるだろうか。

人気の少ない道を選び、角を曲がろうとしたところで壁が抉れた。銃弾がめり込んでいる。

「止まれ、口は開くな。両手を上げて此方を向け」

やはり、こう来たか。
余裕をひけらかすように銃を片手で構える男達。
その数は6人。
こんなときに、と歯噛みしたその時だった。

彼等の背後からふと現れた影。
次の瞬間重い音と共にリーダーと見られた男は地に伏していた。
男の背に片膝をつき地面に木刀の切っ先を落として現れたのは、全身が覆われるほどの黒のマントを纏った人物だ。顔はフードで隠されていて見えない。深緑のマフラーを巻いていて口許も見えない。下には黒の作業着のようなものを着ていた。

「なッ、こいつ…!」

背後からナイフを振りかざした男を力の流れを利用して投げ、受け身を取り損ねた男は気絶した。残る四人から銃やナイフを向ける男達に牽制されたその人物はゆらりと立ち上がる。

一人が銃を向けたまま近付いて、木刀を捨てるように命令する。

「武器を捨て、両手を地につけろ!」

カラン、と音を立てて木刀が地に落ちる。
俺が手出しをすれば、その人物は殺されてしまうだろう。下手に動けない。
どうしたものか、と頭を悩ませていた。

「フードを外せ」

緊張の糸が張り詰める中、その人物はフードを外した。艶やかな黒髪に漆黒の瞳が露になる。

男達をなぎ倒してしまいたかった。

暫く沈黙が続き、それぞれ武器を下げる。

「上玉だな」

俺に銃を向けて、牽制する。口許にニヤリと笑みを浮かべた男がぐいと顎をつかんで上を向かせた。

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ユキ(プロフ) - さちさん» コメントありがとうございます。個人的にとーる君は書いていて楽しいので、この話が一段落しても出てくるかもしれません( ̄∇ ̄*) (2019年3月29日 22時) (レス) id: 370884fb03 (このIDを非表示/違反報告)
さち - おもしろかったです。続きがすごく気になりました。よろしくお願いします。 (2019年3月29日 22時) (レス) id: 1af3590574 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 奈楠さん» ありがとうございます。学業も忙しくなりますので更新ができない日々もあると思いますが、作品をよろしくお願い致します。コメント嬉しいです(о´∀`о) (2019年3月15日 12時) (レス) id: 370884fb03 (このIDを非表示/違反報告)
奈楠(プロフ) - 受験お疲れ様です!!!作者様のペースで大丈夫ですよ!更新頑張ってください! (2019年3月14日 21時) (レス) id: f44adf4250 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - 明里香さん» 教えて下さりありがとうございました!修正しました。閲覧ありがとうございます。 (2018年8月3日 7時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ x他1人 | 作成日時:2018年5月20日 18時

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