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「…私、やっぱり自首します」

暫く話したあと、花はスッキリとした顔でそう言った。

「…理由を聞いても?」

花はこくりと頷いた。

「とても、話していて楽しい。こんな気持ちは初めてなの。ずっと話していたいけれど、私の中でもやもやとしたまま貴女に向き合いたくない…勝手だと分かっているけど、私がちゃんと自分にけじめをつけられたら、また話をしてくれる?」

話をする中で、花は自分の意志を言葉にするのが難しいと言っていた。否定されることが苦手で、ほとんど話は聞き手に回ってしまうし、他人がいったことには反対ができないという。
話をしていた最初も、言葉がつっかえつっかえになっていた。

私にとって、花と話すのは楽しい時間だった。
花が同じだと知って、とても嬉しかった。

「あぁ、勿論だ。花が、君自身が決めた事に反対はしないよ」

花の目からは、涙が溢れていた。
けれど笑っていた。

「…また、友達になってくれる?」
「今の花も、これからの花も、私にとって大切な友人だ。自分の思いを伝えてくれてありがとう」

花の中で、何かが変わった。
これからも花は変わっていくのだ。
少しづつ、良い方へ。

安室さんに頼んで、警察を呼んでもらった。

病院に来た警察の人は私と花を見て驚いていたが、沖矢と安室さんの説明のもと、花の片手に手錠をかけた。

「またな、花。…待ってる」
「うん、また」

扉が閉まり、右腕を閉じた瞼の上に乗せる。
蛍光灯は光が眩しいから、直接は見たくない。

「…休んで下さい。疲れているでしょう」

頭を撫でられ、ジワリと腕の下に涙が滲む。
弱い所を、見られたくないのに。


頼られる存在になりたいのに。

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ユキ - 田中。さん» 田中。さんの作品読ませて頂いております!コメント頂けてとても嬉しいです。琵琶湖をテーマ、というか、近江国を物語に入れたかったんです(笑)コメントありがとうございました、応援しています!! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
田中。(プロフ) - 琵琶湖という言葉にドキリとしました!これからワクワクしながら読みたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: ddae4419b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ゆうさん» 励みになります、本当に感謝です…! (2018年5月20日 11時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - まさかの和解!予想していなかった展開で驚きました!ゆっくりでいいのでこれからも頑張ってください! (2018年5月20日 7時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ゆうさん» いつも読んで下さってありがとうございます!コメントを読む度にほっこりとさせて頂いております。更新遅くてすみません、これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2018年5月12日 17時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユキ | 作成日時:2018年3月27日 18時

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