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赤井秀一side
「あるさ。命を懸けて守り抜き、全力で愛すると誓おう」
沖矢昴の変装を解き、伊邪那美命の目を見つめて言った。俺はずっと気付いていた。
俺が彼女を、柊Aを愛していると。
だが、それを見ないふりをしていた。
「たとえ過去に囚われようと、必ず見つけ出そう。何処にいようと、必ず、何度でも彼女の名を叫ぼう。俺が、Aの生きる理由となろう」
伊邪那美命は暫く目をじっと見ていたが、やがてふっと微笑んだ。
「任せよう」
伊邪那美命の身体は徐々に透けていった。
「我も多忙の身、赤井秀一…江戸川、否、工藤新一。主らに幸訪れんことを」
俺とボウヤの額に手を当てて伊邪那美命は消えた。最後に俺の耳元で、そっと囁いて。
“婚姻届は自分等で出すのだぞ”
ソファーにはすよすよと眠るA。
その頬を撫でれば、愛おしい体温が指先に感じる。
「夢みたいだけど…夢じゃないよね」
「夢ではないさ」
ボウヤはこの事は誰にも言わないようにすると言った。無論、俺も誰にも言わないが。
「滋賀遺体発見事件、無かったことになってるよ」
「そうか、それは良かった」
あの小さな身体は、人柱として死んだ時の、本人に気づかれなかった願いと感情。
だがそれはもう、無くなった。
沖矢昴として、もう隠すことはないだろう。
これからは赤井秀一として、君を心から愛そう。
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ユキ - 田中。さん» 田中。さんの作品読ませて頂いております!コメント頂けてとても嬉しいです。琵琶湖をテーマ、というか、近江国を物語に入れたかったんです(笑)コメントありがとうございました、応援しています!! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
田中。(プロフ) - 琵琶湖という言葉にドキリとしました!これからワクワクしながら読みたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: ddae4419b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ゆうさん» 励みになります、本当に感謝です…! (2018年5月20日 11時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - まさかの和解!予想していなかった展開で驚きました!ゆっくりでいいのでこれからも頑張ってください! (2018年5月20日 7時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ゆうさん» いつも読んで下さってありがとうございます!コメントを読む度にほっこりとさせて頂いております。更新遅くてすみません、これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2018年5月12日 17時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2018年3月27日 18時