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「楓、は…彼奴だって…!」
「楓は…あやつは、怨みを残して死した。蘇らせれば災いのもとになり、この土地を汚す」
落ち着け、と言われて体の力が抜ける。
少し冷静さが戻ってきた。
「我は最終審判者、魂をどうするかは我の判断。だが他の審判者が肯定の意を示さかなかったばかりに、お主はこの世界にしか蘇ることはできなかった。その小さな身体は腐らぬが、いずれ消える」
「消える……?」
「日本だけでも魂の審議が立て込んでいるため我も暇ではない。見守っている、戸籍も管理しておくから心配はせんで良い。周りの記憶も少し変えてあるゆえ、お主は直ぐに周りに溶け込めるであろう」
口角を上げて目を細めた伊邪那美は、光る指先を私の額に当てた。
「お主に、幸訪れんことを」
光る指先は徐々に消えて、伊邪那美の身体全体が光り消えていく。
伊邪那美の姿が消えるのと同時に、私は意識を失った。
目が覚めたとき、朝の8時丁度だった。
まだ愛知県内にいたため、家は遠い。
車から降りて、ペットボトルの緑茶を買う。
冷たいお茶が身体に流れ込み目が冴える。
「…伊邪那美」
恐らく睡眠を取れない状態だった私を眠らせてくれたのだろう。
残り350km、到着予定時刻は12時になってしまったが、落ち着いた気持ちでアクセルを踏んだ。
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ユキ - 田中。さん» 田中。さんの作品読ませて頂いております!コメント頂けてとても嬉しいです。琵琶湖をテーマ、というか、近江国を物語に入れたかったんです(笑)コメントありがとうございました、応援しています!! (2018年6月12日 20時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
田中。(プロフ) - 琵琶湖という言葉にドキリとしました!これからワクワクしながら読みたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: ddae4419b4 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ゆうさん» 励みになります、本当に感謝です…! (2018年5月20日 11時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - まさかの和解!予想していなかった展開で驚きました!ゆっくりでいいのでこれからも頑張ってください! (2018年5月20日 7時) (レス) id: adda87380c (このIDを非表示/違反報告)
ユキ - ゆうさん» いつも読んで下さってありがとうございます!コメントを読む度にほっこりとさせて頂いております。更新遅くてすみません、これからもこの作品をよろしくお願い致します! (2018年5月12日 17時) (レス) id: 5d51fce380 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユキ | 作成日時:2018年3月27日 18時