【ヤンデレ-小説版】変わってしまった【すとぷり】

5.るぅと》ヤサシイカレシ ページ11

『るぅとく、ん…？』


なにをしてるの…？
“それ”は…何？


「…？何って、僕の愛ですよ？」

『愛…って、だってそれは…』

「僕からAへの優しさです」

『そんなの、全然優しさなんかじゃない！』


彼が右手に持つのは、男性の頭部。
…私の友達…だった人＿＿＿＿＿

一昨日るぅとくんのことで喧嘩をしてしまったのだ。
そして昨日、喧嘩をしてしまったとるぅとくんに話した。


「Aのことを傷つけるから、僕が痛い目見させてあげたんですよ？なのにそれがどうして優しさじゃないんですか？」


彼は本気で言っているのだろうか。
恐ろしくて仕方がない。


「ふたりで外を歩く時は必ず道路側を歩きました。荷物を持ってあげました。美味しい料理を食べさせてあげました。中学時代、Aをいじめから救ってあげました。初めてシた時も、痛くないように優しくしました。Aがいつも笑顔で過ごせるようにしました。なのに、駄目なんですか？」


淡々と話す彼。
たしかに彼は優しかった。

…優しかった。


「A、悪いことは言わない。アイツとはもう関わらない方がいい。」


一昨日、そう言われた。
私は自分の彼氏を悪く言われたことに腹が立って、つい言い返した。


『貴方には分からないよ！るぅとくんはいつでも優しいし、こんな私を大切にしてくれる！そんな人今まででいなかったの！るぅとくんを失う訳にはいかない！』

「でもアイツは…！」

『うるさい！私とるぅとくんの間に入ってこないでよ！』

「…そうかよ、」


この時話をちゃんと聞いていればよかった。
私が彼を殺したようなものじゃないか。


「Aがどこにも行かないようにGPSを付けてました。盗聴器を付けてました。毎晩持ち物やスマホをチェックしてました。Aを愛しているから。…ね？僕、ちゃんと優しい彼氏だったでしょ？」


変わってしまった彼を、もう私は止めることは出来ない。

ヤサシイカレシの貴方と、ヒトゴロシの私。
なんだ、お似合いじゃんか。















あは、アは、あハ…アはハはははハはハハハ！！！！

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