37:少年の裏側 ページ37
少年side
「おいおいおい、剣持くーん？」
「…なに」
Aさんからの注文を受けて厨房に伝えに行く。
すると、ニヤついたクラスメイトに絡まれた。
…まぁ、こうなるだろうとは思っていたけれど。
「あの綺麗な人は？ 家族？ 彼女？」
「かっわいーよなぁ。紹介してくれよ〜」
「彼女だよ。紹介なんてできるか」
湧き立っている野郎共に釘を刺す。
すると、ヒュ〜！ と盛り上がるものだから ため息を溢した。
ただでさえ彼女は華があって目立つ。
そんな人が男子校に1人でやって来たら…。
「…僕のだからな。お前ら手出すなよ」
「剣持ぃ〜！！」
「お前カッケェよ！ 羨ましいわ！」
「ああああ！ いいなぁああ！」
……周りを牽制してないと、心配で仕方がない。
醜い男の嫉妬。
バレたら嫌われるだろうか。
チラリと彼女の座っている席を見る。
店内の装飾を眺めたり、店員の服装を眺めたり。
ただの待ち時間もスマホを触らず楽しんでいた。
常にニコニコしていて、目を輝かせて。
美人が故の近寄り難い雰囲気なんて微塵も無くなっている。
あぁ、嫌だ。
僕だけが知っているはずなのに。
彼女にナンパのように話しかけた時、実感した。
その慣れたような対応に。
相手を全く見ようともしない様子に。
そうだ。
この人はいろいろな事を経験した大人なんだ。
綺麗な大人の女性なんだ。
「ふわふわパンケーキ、5番卓持ってけ〜」
考え込んでいると、注文の品が完成していた。
文化祭の喧騒を取り戻した頭で 邪念を振り払う。
「はーい、持ってく」
トレイにパンケーキを載せ、彼女の元へ運ぶ。
近付くと、満面の笑みで出迎えてくれた。
「お待たせいたしました。ふわふわパンケーキでございます」
「きゃ〜！ 美味しそう！ ありがと刀也！」
嬉しそうな、楽しそうなその表情。
今 その瞳に映っているのは俺だけ。
それだけで何かが満たされるのだから、我ながらチョロいと思う。
「もうシフト終わるので、着替えて来ますね」
「え〜、着替えちゃうの？」
「当たり前。ちょっと待ってて」
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ミュウト(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ニコさんの書くお話にいつもドキドキしてました…！幸せな時間をありがとうございました！ (10月10日 10時) (
レス) @page50 id: 416a70e64b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ【低浮上なう】(プロフ) - 完結おめでとうございます！！顎が…かっこいい…って悶絶しながら読んでましたw (7月31日 0時) (レス) @page50 id: f3d0772f96 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - あんまりNLは好んでみないし、すきやないけどこれは見れる！おもしろい (5月21日 15時) (レス) @page41 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
いろね(プロフ) - 俺、男女の恋愛って苦手なんですけどこのお話は嫌いじゃなくて不思議です！！ここまで心に響いて尊い、推せる！って思えるの初めでです！ありがとうございます！！！！！ (5月20日 0時) (レス) @page41 id: 3c850ea3ab (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - てぇてぇ、、てぇてぇの過剰摂取で死にそうになりながら読みました。大好きです (2023年1月4日 7時) (レス) @page33 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2022年8月11日 3時
