12:少年の気持ち ページ12
「うわぁ、少年の部屋懐かしー！」
「…そんなに見ないでください」
ぐるりと見回していると注意された。
あの頃とレイアウトは変わっていない部屋。
しかし、制服や机周りがしっかり男子高校生だ。
「…男の子の部屋だ。なんか変な気分」
「んはは、どういう意味ですか」
なんというか、意識せざるを得ないというか。
少年もちゃんと成長している。
男の人に近づいているんだなぁ。
「僕のこと、少しは意識してくれました？」
「……意識って、なに？」
突然の問いかけにギクリとなった。
別にしていなかった訳じゃない。
ただ、少年は弟みたいで、子供で。
意識するような相手じゃなくて。
「Aさん、僕の気持ちに気付いてますよね」
少年がジリジリ近づいて来る。
私の背には壁。ピンチ。
「や、だなぁ。お姉さんはエスパーじゃないよ」
「いつまで そうするつもりですか」
少年の気持ち。
気付いていなかったと言えば嘘になる。
ただ、幼い頃によくあるやつだと思っていた。
近所のお姉さんに憧れているだけだと。
小さい子が、将来お姉さんと結婚する！みたいな。
時間が経てば忘れるやつだと。
「その気持ち、勘違いじゃない？憧れみたいな…」
「いいえ」
キッパリと否定される。
少年と目を合わせないように下を向いた。
視界に入る少年の足。
目の前まで、来ている。
「僕、Aさんがずっと好きでした」
顔を上げられない。
壁際まで追い詰められて逃げ場なんてない。
でも、向き合えなかった。
そういう目で少年を見たことが無かったから。
「ごめ＿＿＿」
「逃げないでください。ちゃんと考えて」
少年は逃げることも許してくれない。
恐る恐る顔を上げた。
少年の瞳に射抜かれる。
「俺のこと、もっと意識して」
ぐらり、心が揺らいだ。
少年が急に大人びて見えて。
私より高い視点から見下ろされて。
嫌でもわかった。
少年も、男の人なんだと。
「…わかった。ちゃんと、考える」
「……ありがとうございます」
気まずくなった空気の中、沈黙が流れる。
居た堪れなくなってしまう。
どうしよう、少年と気まずくなりたい訳じゃない。
困っていると剣ちゃんママからご飯の知らせが届いた。
それを聞いた少年はサッと動いて部屋から出て行く。
「行きましょう。お腹空きましたね」
「あ、うん。行こう」
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ミュウト(プロフ) - 完結おめでとうございます！！ニコさんの書くお話にいつもドキドキしてました…！幸せな時間をありがとうございました！ (10月10日 10時) (
レス) @page50 id: 416a70e64b (このIDを非表示/違反報告)
ゆきみ【低浮上なう】(プロフ) - 完結おめでとうございます！！顎が…かっこいい…って悶絶しながら読んでましたw (7月31日 0時) (レス) @page50 id: f3d0772f96 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐の凉宮 - あんまりNLは好んでみないし、すきやないけどこれは見れる！おもしろい (5月21日 15時) (レス) @page41 id: c43eafab12 (このIDを非表示/違反報告)
いろね(プロフ) - 俺、男女の恋愛って苦手なんですけどこのお話は嫌いじゃなくて不思議です！！ここまで心に響いて尊い、推せる！って思えるの初めでです！ありがとうございます！！！！！ (5月20日 0時) (レス) @page41 id: 3c850ea3ab (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん(プロフ) - てぇてぇ、、てぇてぇの過剰摂取で死にそうになりながら読みました。大好きです (2023年1月4日 7時) (レス) @page33 id: b3862cde2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ニコ | 作成日時：2022年8月11日 3時
