百四十六話 ページ7
.
「あ、そうだ！サー！怪我の功名というか...新しい情報を得ましたよね！治崎には娘がいます！｣
｢娘...？｣
通形先輩がさっきの事を話し緑谷もそれに続けて話しだす
｢エリちゃんと呼ばれていました。手足に包帯をまかれていました...
とても怯えていた。何も分からないけど...助けを求めてた...！｣
「そうか...竈門はどう思う」
「...エリちゃんは腕とかに包帯を巻かれてた。つまり包帯を巻くほどの怪我をしたってこと。
...だから、私はただの虐待とかじゃなくて何かの人体実験みたいなものを受けてるんじゃないかと思う。
ああいう子は見つけたらすぐ保護してあげないといけない。
希望に出会えたのにすぐ地獄に戻ることになるんだもん。
...ただの生殺しだよ。生殺しよりずっと地獄にいる方がましだ。無理にでも引き剥がしてくればよかった」
エリちゃんがあのとき自分から治崎の方に戻ったのは私達が殺されると思ったから。
他の人が傷つくくらいなら、自分が傷つく方がいいもんね。
分かるよ。私もそう思ってるから。でも...まだそんなに小さい頃から思っている必要ないよ。
そもそもすぐに助けてあげられたらそんな思いすることなかったのに。
誰かが...ヒーローが助けてくれたら全部解決する。
私みたいなのも助けてもらえる。
自分が死んでお兄ちゃんと離れることもなかったのに＿＿＿＿
...ああ、駄目だ。
さっきから自分とエリちゃんを重ねちゃってる。
私情で動いちゃ駄目ってのは分かるんだけど...分かってるけど、やっぱり自分と重ねてしまう。
｢どうにか保護してあげられていたら...｣
｢傲慢な考えをするんじゃあない｣
｢...そんな...｣
｢事を急いては仕損じる、焦って追えば益々逃げられる。助けたい時に助けられる程貴様は特別じゃない。
現在こちらも他事務所とのチームアップを要請中だ。
まず相手が何をしたいか予測し分析を重ねた上で万全の準備を整えなければならない。
志だけで助けられるほど世の中甘くはない。
真に賢しい敵ヴィランは闇に潜む。時間をかけねばならない時もあると心得ろ。
今日のところは二人共事務所へ戻っていろ。バブル行くぞ｣
｢あっ、はい！｣
Aのような境遇の人を助けたかったのに助けることができなかった。
それを実感してとても悔しくなり、唇を強く噛んでしまった。
血が出ているのにも構わずに。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜 - りーたん☆さん» ありがとうございます！！面白いと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！体調の心配もしてくれててとても励みになります！頑張りますね！ (2020年8月20日 20時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
りーたん☆ - 続編おめでとう！！！とても面白いです^_^体調に気をつけて、頑張ってください (2020年8月20日 16時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - シバさん» コメントありがとうございます！！シバさんが安眠を確保できているならよかったです！！←←←更新頑張りますね！！ (2020年8月15日 17時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
シバ - 続編おめでとうございます！楽しみすぎて夜しか眠れません！←←更新頑張ってください！ (2020年8月14日 20時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜 | 作成日時：2020年8月13日 18時
