百七十二話 ページ37
.
「...緑谷、なにか言ってた？」
あのときは余裕なくてちょっとキツい言い方しちゃったからな...
「そういえば、本当にごめんなさいってお前に伝えてくれとか言われたな」
「そっか...私も、緑谷にごめん、って言っておいて...わたし、きょういえそうにないから...」
私は普段無理してるせいか体調を崩すととことん体調が悪くなる。
「分かった。お前はもう寝てろ。俺はもう行くから」
私はお兄ちゃんの服の裾をそっと引っ張る。
「...もうちょっとだけ、もうちょっとだけ一緒にいて...おねがい」
もうちょっとだけ、あとちょっとでいいからお兄ちゃんと一緒にいたい。いつも生徒の竈門Aと教師の相澤先生だから、少しはお兄ちゃんに触れていたい。
「...少しだけだぞ」
お兄ちゃんはベットに寝転がり、私が眠るまで傍にいてくれた。そのお陰か、私はぐっすり眠ることができた。
それから何時間経ったのか分からないが、外はもう夕日が見える程時間が経っているようだ。
「...どんだけ寝てたんだろ、私」
しばらくボーッとしていたが、もう体がだるくないことに気がついた。
頭痛くないし、熱ももう引いてる。
なら、もうお兄ちゃんを帰さないと＿＿＿＿＿＿＿
...と、思ったがもうちょっとだけ寝たふりをすることにした。
お兄ちゃんとこんなことができるのはもうないかもしれないから、もうちょっとだけ堪能していたい。
私はもう一度目を瞑りお兄ちゃんの方にそっと近づき抱きついた。
もしかしたらお兄ちゃんはそれに気づいているのかもしれない。でも、私はそれをやめずにしばらく過ごしていた。
「ん...」
私は何かが動いた気がして目をあける。
どうやらまた眠ってしまっていたみたいだ。
「起こしたか？悪い。...その様子だともう熱下がったかもしれないな。はかってみろ」
私は渡された体温計ではかってみると、37度ぴったしだった。
「またぴったしか。ある意味凄いな、お前」
「それが私だからね」
「お前ならそう言うと思ったよ。
...そんな軽口叩けるならもう大丈夫だな。俺はもう帰る」
もう帰っちゃうのか...
「なら、私も見送ります」
「...ありがとな」
「いえいえ」
私はドアを開き出ようとした。
「あ、待て。その格好は＿＿＿＿＿＿＿＿」
と、相澤先生が口を開いたが、その頃にはもうドアが開いてしまっていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 48人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
桜 - りーたん☆さん» ありがとうございます！！面白いと言ってもらえてめっちゃ嬉しいです！！体調の心配もしてくれててとても励みになります！頑張りますね！ (2020年8月20日 20時) (
レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
りーたん☆ - 続編おめでとう！！！とても面白いです^_^体調に気をつけて、頑張ってください (2020年8月20日 16時) (レス) id: 6deecb8d9e (このIDを非表示/違反報告)
桜 - シバさん» コメントありがとうございます！！シバさんが安眠を確保できているならよかったです！！←←←更新頑張りますね！！ (2020年8月15日 17時) (レス) id: ced64b0a1f (このIDを非表示/違反報告)
シバ - 続編おめでとうございます！楽しみすぎて夜しか眠れません！←←更新頑張ってください！ (2020年8月14日 20時) (レス) id: 344258cf85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜 | 作成日時：2020年8月13日 18時
