【募集企画】怪異探偵部４【小説】 (ページ49)

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第199話【戦闘開始】《紅夏瑠璃》ページ49

冬月が走り去っていったあと、瑠璃と城田は直ぐに彼女のあとを追いかけた。だが…

「る、瑠璃…。闇雲に走るのはやめた方が…先輩も見失ったし…」
「…それにこの格好って…」

「ん？お姫様だっこだよー！」

そう、今二人は絶賛迷子中なのだ。
そのうえ、お姫様だっこを瑠璃が城田にしている状態で走っている。

「いや、『お姫様だっこだよー！』っておかしいよ！？普通は男が女にするものだからね！？」

「大丈夫大丈夫！今一月先輩のにおいをたどってるから！」

「いやだからそういう問題じゃなくてうわぁぁぁぁぁぁあ！」

瑠璃がにおいをたどって一月の元に向かっているからまだましな状況なものの、
建物の屋根を蹴って飛んでいくのに城田は慣れていない。
そのためいつもあまり大声を出さない城田が絶叫している。もうおとりも何もない。そして…

「…ついた。けど…」

「ハァ、ハァ、ハァ…どうした、の…」

「…しずかに。誰か、いる。」

「！…誰がいる？」

「…うーん…誰だろ…。分かんない」

そんな事を二人が考えていると…

「…あれ？何かにおいが消えて…っ！？」

「え？消えたって「っ颯真！」

次の瞬間、バシッ！という音がした。

「あらら、庇われちゃったか。しかもしっかり受け止められた。」

「る、瑠璃！」

攻撃してきたのは刀夜、狙われたのは城田だった。
しかし、瑠璃がしっかり攻撃を受け止めている。

「大丈夫！…颯真は、一月先輩のとこまで行って！」
「私より、一月先輩のほうが危ないし、私より颯真の方が頭いいでしょ？」

「で、でも…！」

「じゃあ、一月先輩を助けたらこっちに来て！」
「お願い！颯真！」

「いつまでお喋りしてるんだい？俺も混ぜてほしいね。」

「…うるさい。」

その直後、今度はドガァッ！と音がした。
今度は、瑠璃が刀夜に攻撃したのだ。だが、受け止められた。

「…危ないなぁ。怪我するじゃないか。」

「悪者が何を言う！…私の大切な人に何かする気でしょ！絶対に、させないよ！」

「瑠璃…！…っ分かったよ。すぐに来るから！」

「逃がさないよ…っ！」

「…行かせない。絶対に」

「…邪魔だな。」

刀夜は城田の方に向かおうとしているが、瑠璃に阻まれ、向かえない。
そして、戦闘が始まった。