検索窓
今日:8 hit、昨日:1 hit、合計:16,061 hit

第155話【過激】《藤崎 紅華》 ページ5

「待って。
寝る前に、渡しておきたい物がある」

そう言って、博物院は一宮に呪符のようなものを5枚渡した。

「これは何ですか?」

「猿夢の足止め用だよ。
今から寝てもらって、猿夢の電車を止めてもらう。
車内のどこかに緊急停止ボタンがあるはずだから、それを探して止めて。
それさえ出来ればこっちのものさ。
その際、追手が追ってくるかもしれないから、その時にナイフ投げの感覚で投げてもらえばいい」

「追手だけに?」

と、綾田が茶々を入れた。
部屋に微妙な空気が広がる。
すると、紅華は黙って綾田の後ろ襟首を強引に掴み、部室を出た。

「無茶…しやがって…」

城田が目頭を押さえながら言った。

「いや、誰も無茶なんてしてないわよ!?」

姫羅のツッコミが部室に響きわたるのと同時に、前の廊下では綾田の悲鳴が響いた。

*********************

綾田を一思いにボコった後、

「相変わらず過激派だねぇ」

と、冷やかす賢斗が戻ってきた。

「黙ってろ。
それよりなんだ、お前が戻ってくるなんて。
やっと成仏する気になったか?」

「まさか。
様子を見に来ただけさ」

「ふーん。
ま、半跏思惟像ごときでお前が成仏する訳ないか。
薬師如来像なら、確実に成仏コースだったろうに」

と、紅華は少し悔しそうだった。

「どんだけ君は僕を成仏させたいんだよ…」

「プライバシーの保護のため」

「誤解だよ」

「誤解もクソもあるか。
あれはほとんどプライバシーの侵害じゃないか。
どうしてくれるんだ」

ただ単に因縁を付けたかった様である。
賢斗は呆れて、部室の様子を眺めていた。

第156話【無力な自分】《神嬢 麗菜》→←第154話【足りないもの】《神瀬臥玖》



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.0/10 (9 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
8人がお気に入り
設定タグ:募集企画小説 , 怪異探偵部 , 怪異モノ , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

yoishi@桂じゃない、ヅラだ(プロフ) - 終わりました!! (2017年2月8日 6時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@桂じゃない、ヅラだ(プロフ) - 修正します。 (2017年2月8日 6時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラゼリー(プロフ) - 明咲こよりさん» 申し訳ない!有難うございます! (2017年2月7日 23時) (レス) id: 6b17067a39 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - アセロラゼリーさん» 余計なお世話だったら申し訳ないのですが、196話の人物の名前はあれで宜しいのでしょうか?余計なお世話だったらすみません… (2017年2月7日 23時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 続編を作成しました!【http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Syokaii5/】です。パスは変わりません。 (2017年2月7日 21時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:明咲こより+他の参加者様 x他5人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。