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第182話【愚策】《藤崎 紅華》 ページ32

「危ない?
何かあったの?」

ついさっき部室に来た妖華が訪ねた。
名瀬も、

「そうだな。
特に何も感じなかったが」

と言った。

「私は確かに聞こえてきたんです!!
姫羅が、天野先輩に手を下されるのを!!」

それを聞いて、妖華の顔が青ざめた。

「嘘…でしょ…」

「部長、私が迂闊でした。
もっと考慮すべきだった。
持明院家は1度敗れたからといって諦めるような連中じゃない。
姫羅だけじゃなく、一宮さんも危ないかもしれません」

紅華の言葉を聞いた妖華は更に青ざめ、臥玖に言った。

「神瀬、あなたの能力で姫羅と剣夜を映して!!」

「は、はい…!!」

そう言って臥玖は能力を発動しようとするが、紅華に腕を掴まれて止められた。

「臥玖、そっちに使うな。
位置を割り出されたりしたらどうする。
相手は玄人の退魔師なんだぞ?」

そして、紅華は妖華に向き直った。

「そして部長、あなたは落ち着いてください。
無闇に飛び出してはいけません。
愚策です」

「でも…」

「こっちは素人、相手は玄人。
いくら私達がこの体質と付き合いが長いとはいえ、ただ突っ込むだけでは意味がありません。
落ち着いて行動しましょう」

その時だった。

「あ…!!」

「臥玖、どうした!?」

「藤崎先輩、一宮先輩と天野先輩が、合流、しました…」

「姫羅は!?」

「分かりません…。
あれ?
女の子が、氷山先輩を引き摺ってる…?」

「あれは…天野幸子じゃないすか!!」

綾田が声を上げた。

「臥玖、場所は分かるか?」

紅華が聞いた。

「ええと…白樺…3丁目…?
キャッ!!」

突然、臥玖の鏡が曇った。

「…やられたな。
雲外鏡の能力に気づいたみたいだ。
だが、臥玖、お前のお陰で居場所が分かったよ」

「白樺3丁目…ね」

「その通りだ、真鈴。
あの場所は知ってるぞ。
確か、元革た町村だったところだ」

「革た町村?」

「今でいう、差別集落の事だ。
そして、あそこには、水子の供養堂が下水道近くにある」

「瘴気が充満している可能性大じゃないすか!!」

「だからだよ、綾田。
そして、瘴気が充満している元革た町村をこういう。
―裏S区、と」

第183話【疑問】《一宮一月》→←第181話【水の知らせ】《泡渕 真鈴》



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yoishi@桂じゃない、ヅラだ(プロフ) - 終わりました!! (2017年2月8日 6時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
yoishi@桂じゃない、ヅラだ(プロフ) - 修正します。 (2017年2月8日 6時) (レス) id: f918b81d30 (このIDを非表示/違反報告)
アセロラゼリー(プロフ) - 明咲こよりさん» 申し訳ない!有難うございます! (2017年2月7日 23時) (レス) id: 6b17067a39 (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - アセロラゼリーさん» 余計なお世話だったら申し訳ないのですが、196話の人物の名前はあれで宜しいのでしょうか?余計なお世話だったらすみません… (2017年2月7日 23時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)
明咲こより - 続編を作成しました!【http://uranai.nosv.org/u.php/novel/Syokaii5/】です。パスは変わりません。 (2017年2月7日 21時) (レス) id: 67d07cb40f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:明咲こより+他の参加者様 x他5人 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2017年1月22日 23時

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